女性の姿に目を向けて 山城亜矢乃さん 琉舞の魅力を伝える 新報女性サロン


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
実演しながら説明をする山城亜矢乃さん=14日、琉球新報ホール(提供)

 第97期「新報女性サロン」第6回講座が14日、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれた。琉球舞踊伝承者の山城亜矢乃さんが「琉球舞踊と組踊~作品の中の女性の魅力~」と題して講演した。女性を表現する踊り方や、所作に表れる女性の心情などを実演しながら説明した。

 最初に琉球舞踊3作品の女踊りを紹介。古典舞踊「かせかけ」では糸を巻く所作を繰り返すことで、いとしい人への愛情が深まる様子を示すなど各作品の魅力を伝えた。時間をかけて表現される女性の姿に「目を向けてほしい」と呼びかけた。

 最後に自身が創作した舞踊への思いを語った。祖母の手にあったはじちをテーマにした舞踊「初はじち」は多様なはじちの意味や受け継がれる女性の思いを表現した。演出を手掛けた組踊「対馬丸」では戦争の中にあった子どもや先生、母親に思いを寄せた。

 琉球の伝統芸能は「思いがつながることで進んできた」と歴史をかみしめる。「一緒につなげていきませんか」と呼びかけ、講演を締めくくった。
 (金盛文香)