コラソン敗れる トヨタ紡織に23-31 相手守備を割れず停滞 JHL


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琉球コラソン―トヨタ紡織九州 前半、激しいディフェンスを受けながらシュートを決めるコラソンの依田純真=25日、豊見城市民体育館(小川昌宏撮影)

 日本ハンドボールリーグ(JHL)男子8位の琉球コラソンは25日、年内最後の試合となるトヨタ紡織九州(6位)との今季第15戦を豊見城市民体育館で行い、23―31で敗れた。通算成績は6勝8敗1分けとなった。トヨタ紡織九州の宮城大樹(興南高―東海大出)は1得点を挙げた。次戦は2023年1月29日、佐賀県の吉野ヶ里文化体育館で再びトヨタ紡織九州と対戦する。

 2点ビハインドで迎えた後半開始3分弱、悪夢のような時間帯が始まった。2枚目、3枚目を中心に激しく当たってくるディフェンスに対し、フローター陣の横へのパスが目立ち始める。縦に守備網を割る動きが極端に減り、パスミスや無理なシュートが増えた。

 約7分に渡ってスコアが凍り付いている間に、相手は7連続得点。後半無得点に終わったCB依田純真は「(カットされやすい)ジャンプパスをしないなどの決まり事が徹底できなかった。動きが横に流れ過ぎて、相手が守りやすい攻撃になってしまった」と反省した。

 一方で、劣勢の中でも今後に向けて新たな武器になりそうな戦い方も垣間見えた。後半開始約10分で9点差に広げられてから、3連続得点を奪った場面だ。「今週はずっとこれを練習してきた」(東江監督)という戦術の立役者はLW森田啓仁。ディフェンスで右45度に入り、持ち味のフットワークで一人高い位置からプレッシャーをかけて相手のパスワークを断絶。一時流れを引き戻した。

 森田は「相手がいい流れの時に、パスワークのリズムを止めるのが自分の役目。どの相手でもこの役割は果たせる」と自信を見せる。年内最後の試合は敗れたが、前の試合までの直近4戦は3勝1分けと目に見えて調子が上向きだ。戦術の幅を広げ、さらなる躍進をうかがう。
 (長嶺真輝通信員)

宮城「決め切れた」

 試合終盤、トヨタ紡織九州3年目の宮城大樹が左サイドから飛び上がってシュートを突き刺すと、会場が沸いた。幼なじみや小学校時代の監督も駆けつけた凱旋(がいせん)試合。「一つのチャンスをものにすることが自分の課題。決め切れたことは大きい」と笑みを浮かべた。

 この日はベンチスタートで出番はほぼ勝負が決まった終盤のみ。出場機会を増やしていくためにも「ディフェンスを強化し、役割を一つ一つこなしていく必要がある。まだ細いので、当たり負けしない体をつくりたい」と今後を展望した。


 ◇ハンドボール 日本リーグ (25日・豊見城市民体育館)
▽男子
トヨタ紡織九州(19)
31―23(14―12,17―11)
琉球コラソン(13)

 【評】前半こそ競り合いを演じたが、後半に入ると激しいプレッシャーを受けて攻撃の積極性を失い、動きとボールの流動性が停滞。7連続得点を許し、後半開始約10分で一気に9点差までリードを広げられ、勝負が決した。

プレッシャーに負けた

 東江正作監督(コラソン)の話 相手のプレッシャーに負けてボールを簡単に離してしまい、ミスが多くなりリズムを全くつかめなかった。縦に割って入り、相手のディフェスが寄ってきたらパスをするという原点に戻り、下を向くことなく、チャレンジしていきたい。