せやろがいおじさん×キムタツ先生が新春スペシャル対談!受験生たちに伝えたいこと


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(左から)やろがいおじさん、キムタツ先生

 毎週日曜日発行の琉球新報小中学生新聞りゅうPON!は読んでくれているかな。人気コーナーが新年号に“出張”してきたよ! 沖縄の怖くて不思議な話を毎週紹介する「ふしぎうちな~ショートショート」特別編、毎月第1週掲載の「せやろがいおじさんのこれ知っといた方がええやろがい」と第2週の「りゅうPON!キムタツチャンネル」の合同企画。奈良県出身同士のせやろがいおじさん(榎森耕助さん)と、キムタツ先生(木村達哉さん)による新春対談をお届けします。今年のりゅうPON!は8日付から発行です。

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住んでる地域を知ろう

[せやろがいおじさん] 今年、これ知っといた方がいいよ、と思うのは、もっと沖縄のこと知らないといけないなということ。今年1年の僕のテーマでもあるんですが、みんなも一緒にどない? 世界に出て、あんたの国どうなの? と聞かれた時に語れないってなったら、改めて自分の住んでいる地域、国をつまんないと思わずに知っておくことが大事かなと。

[キムタツ先生] 僕、イギリス行った時「日本って無宗教の人が多いらしいけど、それって鎖国と関係ある?」と聞かれて、「あんまりちゃんと考えたことないよ」と言ったら「おまえ自分の国のことなのに知らないのか!」と言われたことがある。確かにそうかもしれないと思って、帰ってから日本のこと調べました。

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受験生の子どもたちへ 文章読んで考えることが大切

[キムタツ先生] 今の日本の教育って「対策」なんですよね。それは本当の考える力にはあまり結びつかない。覚えて終わりというケースが多いですから。過去問題をやり過ぎると、出題傾向が変わったら一気に答えられなくなる。例えば、野球でストレートを打つことばかり練習していると、いざ試合で変化球が来たら打てない。どんな球が来ても打てるようにしておいた方がいいんじゃないですかね。しっかりと文章を読む、本でも新聞でもネット記事でもいいんですけど。そして自分の意見をまとめる。この著者や発信者はこう言っているけど、自分ならどう思うんだろう、自分ならどう発信していただろう、と考える習慣を付けることは大事だと思う。

[せやろがいおじさん] 中学受験、ほんまに嫌々やっていた。あんまり偉そうなことは言えないが、自信あるのは「おれ、どこの学校に行っていても楽しくやっていたし」ってこと。

[キムタツ先生] それって、本当に大事なことですね~。

[せやろがいおじさん] 僕の好きな言葉で、「選んだ道を正解にしていくしかない」という言葉がある。その道を行くことになったら、その時点でその道が正解かどうかなんて分からないから、自分が正解にしていく、正解にしていける自分がいれば絶対楽しいから、そんな深刻に考えなはんなよ、と言いたいですね。

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うさぎ年に考える 孤独を求められる幸せを満喫

[せやろがいおじさん] ことし36歳の年男ですわ。年賀状に何て書くんやろ、うさぎ年って。いのしし年の「猪突猛進」みたいな…。

[キムタツ先生] 1人にすると死んでしまう…。

[せやろがいおじさん] なるほどなるほど。私を1人にしないでね…。ってかまってちゃん過ぎるでしょ(笑)。ウサギってけっこう繁殖力強いですよね。年男として、少子化対策に貢献します! 難しいな、新年号。まあでも、年男として一段階飛躍できるような1年にしたい…めちゃくちゃ置きに行ったコメントも用意しておきます。

[キムタツ先生] 繁殖の1年って(笑)。ウサギって寂しくさせると死ぬって言いますけど、僕は超絶1人が好きなんです。今年も孤独を楽しもうと思っていますが、寂しいからLINE送ろうじゃなくて、1人の時こそ自分の人生どうやってクリエートしていこうかなって考えるのは楽しいんじゃないかなと思いますけどね。

[せやろがいおじさん] なんか日本は孤独大国だ、みたいな話もあって。アメリカでは金なくても友達おるからいいけど、日本は金ないし友達もおらん、これが結構つらいと思うんです。友達おったら結構いけるやろ、と思う。僕の芸人人生、金なんか全然なくても、オリジンの仲間たちに支えられて…、ってこれ絶対書くやつ! 僕は1人好きの寂しがり屋っていうめちゃくちゃめんどくさい人間なんですよ。

[キムタツ先生] 僕もそうです。長いこと誰からも連絡来ていないな、とか気にしますよね。

[せやろがいおじさん] 1人が恋しい状態って1人じゃないからだと思う。本当に誰も連絡しない、来てくれる人おらん、という人は1人が恋しくなりませんよ。

[キムタツ先生] それがデフォルトになっているからですよね。

[せやろがいおじさん] かまってくるやつをうっとおしいって思うのは幸せなことかもしれない。うさぎ年に改めて考える、孤独を求められる幸せ。自由に飲み歩ける楽しさって「はよ帰ってきなさいよ」と言うてくれる人がおるから言えるみたいな。

[キムタツ先生] でも1人の時間を使うのがへたな子はやっぱりいて、すぐにゲーム始めてしまうしかないとか。1人になった時の時間を面白おかしく使える、楽しく過ごすスキルを身に付けはったらいいんじゃないかと思いますよ。

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選んだ道を正解にしていける自分に

 せやろがいおじさん(榎森耕助さん) 1987年奈良県出身。ユーチューバー・お笑い芸人。お笑いコンビ・リップサービスのツッコミ担当で、2017年から「せやろがいおじさん」としてユーチューブやツイッターへの動画投稿を始め、赤Tシャツ・赤ふんどし姿で社会問題に対しての問題提起などを叫ぶ。

1人の時間を面白く使えるように

 キムタツ先生こと木村達哉さん 1964年奈良県出身。元灘中・高校教諭(英語(えい」ご))。講演活動など全国で活躍中。沖縄に拠点を持ち、NPOおきなわ学びのネットワーク理事。2020年にユーチューブ「キムタツチャンネル」開設。22年、ラジオ沖縄でひーぷーさんとレギュラー番組開始。著書多数。

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 ★2人の話はまだまだありますよ。ロングバージョンはウェブサイト「琉球新報NIEルーム」で見ることができます。