衝撃的な事件・事故相次ぐ 高校生失明、沖縄署で騒動 現職町長が汚職で逮捕<沖縄この1年2022>⑥


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深夜から大勢の若者が詰め掛け、投石などの騒動となった沖縄署=1月28日午前3時過ぎ、沖縄市山里(又吉康秀撮影)

 2022年、県民に衝撃を与える事件や事故が相次いだ。

 竹富町の海底送水管更新工事を巡り2月13日、入札の最低制限価格を漏えいし入札を妨害したなどとして、官製談合防止法違反容疑などで西大舛高旬前町長(75)が逮捕された。現職だった町長が現金計1700万を受け取ったとされた汚職事件で、西大舛前町長は加重収賄などの罪に問われ一審、二審とも懲役3年6月の実刑判決を受けた。

 3月12日、伊江島空港でNPO法人メッシュ・サポートが所有する小型飛行機が墜落し、訓練生と指導員の男性2人が死亡した。小型機による離島からの病院搬送や帰島の搬送を担っていたが、再開が望まれているものの運用休止が続いている。

 日本復帰から50年、米軍関係者による事件はいまだ絶えない。沖縄本島内で面識のない女性に性的暴行をしようとしてけがを負わせたとして、強制性交等致傷の罪で当時22歳で在沖米海兵隊上等兵が起訴されていたことが4月に判明した。那覇地裁の裁判員裁判で6月、懲役4年6月の判決が確定した。事件の発生は昨年10月で、県警が米軍の協力を得て任意捜査を進め立件に至った。発生から約半年、事件を知らされなかった県民からは被害者保護の観点に理解を示す一方、事前に米軍から連絡を受けていた県などの対応を疑問視する声もあった。

 1月27日、沖縄署に勤務していた男性巡査(30)とバイクで走行中の男子高校生(17)=当時=が接触し、高校生が右目を失明する重傷を負った。県警捜査1課は、巡査が警棒を手に持ち走行中のバイクにつかみ掛かる行為が暴行に当たるなどとして、特別公務員暴行陵虐致傷容疑で那覇地検に書類送検した。事件をきっかけに、27日深夜から翌未明にかけて、沖縄署周辺に数百人の若者らが詰め掛け騒動となった。一部の若者らが石や物を投げ付け庁舎を損壊させたとして、県警は12月8日、16~19歳=当時=の少年7人を暴力行為法違反(集団的器物損壊)の容疑で地検に書類送検した。

 今年1~11月末に県内で発生した水難事故は101件(暫定値)で、発生件数は過去10年で最多となった。死者行方不明者は41人に上る。

 (高辻浩之)
 (おわり)