鹿児島、沖縄-奄美便に助成 航空は最大4割、交流人口増に期待


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 鹿児島県(伊藤祐一郎知事)は10月から奄美群島振興交付金を活用し、沖縄と奄美諸島を結ぶ航空、船舶の運賃を助成する制度を始めた。航空が最大4割引き、船舶は最大2千円引きで販売されている。奄美関係者は沖縄との交流人口増加による路線存続、拡充や地域振興に期待を寄せている。(宮城隆尋)

 航空運賃は対象が琉球エアーコミューター(RAC)の那覇-奄美、与論の2路線。10月25日~3月10日(一部期間を除く)の特別割引7(7日前割引)が25%引き。12月1日~1月31日(一部期間を除く)の先得割引A(28日前割引)が40%引きとなっている。
 船舶は10月1日から6カ月間、沖縄(那覇港、本部港)と奄美大島、徳之島を結ぶ便が2千円引き、沖縄(同)と沖永良部島、与論島を結ぶ便が1400円引きとなっている。
 鹿児島県は昨年度、奄美振興の一環として奄美群島内の航空、船舶運賃の低減策を実施した。奄美出身者からの要望を受けて8月、低減策を沖縄など県外路線に拡充し、群島外利用者にも適用すると発表した。奄美・琉球の世界自然遺産登録を見据えた沖縄との連携強化も目的の一つ。
 沖縄奄美連合会の奥田末吉会長(72)=糸満市=は「郷友会員が高齢化して年金収入のみという人も多い中、出身者の帰省に活用できる。次年度以降も継続してもらうため、多くの人に制度を知ってもらい、観光を含めて活用してほしい」と呼び掛けた。