学童の新設を浦添市に要望 内間小学校区の保護者ら 松本市長「不安が解消できるよう頑張る」 沖縄


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松本哲治市長(左)に要望書を手渡す保護者会の高良光さん=12月23日、浦添市役所

 【浦添】浦添市立内間小学校区内にある放課後児童クラブ(学童クラブ)に入所する児童の保護者ら約20人は12月23日、松本哲治市長に対して、新設学童クラブの開所などを求める要望書を提出した。同小校区内では来年度にかけて待機児童が新たに約30人出る見通しとなっており、市役所を訪れた保護者からは「仕事を辞めざるを得ない」などと切実な声が相次いだ。

 保護者会などによると、内間地域に5カ所あった学童のうち1カ所が市経塚に移転したことが要因の一つ。高学年の児童を持つ保護者の中には、学童利用を希望しているにもかかわらず、新1年生の利用を優先させたいとの理由から入所を辞退する人も少なくないという。

 要望書は、四つの学童クラブ保護者会の代表と、同校区などで学童を運営する放課後子育て支援ネットいろはなどの連名により提出された。要望項目は(1)新規クラブの開所認可と放課後児童健全育成事業補助金の交付(2)校区ごとに必要な学童クラブ数の整備計画の見直し―の2点。

 市によると、過去5年で市内の児童数は減少している一方、学童クラブを利用する児童は増加傾向にある。ただ、今年4月時点で、内間小に隣接する神森小や沢岻小、宮城小の校区では定員割れが起きている。そのため市の担当者は要請の場で「隣接校区の状況を踏まえてしっかり精査したい。内間小校区で前年度と比べて何が変わったか調査しながら新年度に向けて事業者との調整を図りたい」と述べた。

 松本市長は「行政として全体の児童数が減る中、新規の学童を設置するには慎重を期さないといけない。ただ、皆さんの思いをしっかり受け止め、不安や懸念が早期に解消できるよう頑張りたい」と語った。

 現在、小学2年生の息子を学童に通わせている宮古島市出身の保護者は「来年度の継続利用がかなわなかった。近くに実家もなく、これまで多くの場面で学童に助けられてきた。新たに学童を設置するのが難しいことも分かるが、大好きな浦添でずっと子育てをさせてほしい」と涙ながらに訴えた。
 (吉田健一)