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琉大の学生ら、沖縄県ヘイト条例案の問題点を指摘「性的少数者への差別禁止も明記を」 署名1万筆超を提出へ


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 琉球大学法科大学院の学生有志5人が、沖縄県が差別的言動(ヘイトスピーチ)を規制するために制定を目指す条例の骨子案に、性的指向や性自認に関しても、他の項目と同様に不当な差別的取り扱いの禁止を明記するよう求めるオンライン署名を実施し、5日間で1万3927筆の署名を集めた。学生らは「短期間でこれだけ集まったのは驚きだ」と話し、近く県に署名を提出する予定だ。

 県が制定を目指すのは「県差別のない人権尊重社会づくり条例(仮称)」。県は骨子案を昨年12月5日に公表し、1月6日までパブリックコメントを募っていた。学生らは1月2~6日にオンライン署名専用サイト「Change.org」を使って署名活動に取り組んだ。

 学生らは、骨子案の不当な差別の理由の中に性的指向・性自認が入らず、性的指向や性自認に関する部分だけ「理解の増進」と書かれていることを問題視。今のままでは性的指向・性自認の理由とした差別的言動が禁止されていないように読めることから、不当な差別禁止を明記する必要があると考えた。

 問題意識を共有した知人らがSNSなどで拡散し、賛同が広がったという。

 学生有志は「5日間で1万人を超える署名が集まったのは驚きだった。短い期間ですぐに反応できる人がこれほど多くいるのは、社会的な関心の高さの表れだ」と署名活動を振り返った。

 学生らは、矢野恵美教授が講師を務める「性の多様性の尊重と法」の受講生で、性的少数者の当事者や支援者らの話を聞いて学びを深めていた。

(稲福政俊)