琉球王国はどんな国家だったの? 沖縄の近現代を学ぶ高校副読本 プリントなど活用しやすく 沖縄歴史教育研


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 沖縄大客員教授で沖縄歴史教育研究会顧問の新城俊昭さんはこのほど、高校の新学習指導要領で必修科目となった「歴史総合」の副読本「歴史総合と沖縄」を発行した。学習プリントとして活用できる「学習ノート」を作成し、イラストや写真を多用するなど、授業でスムーズに活用できる形になっている。

 同書は主に新城さんが執筆し、沖縄歴史教育研究会の協力を得て編集した。六つの章で構成する。第1章ではウチナーンチュはどこからやってきて、琉球王国はどのような国家だったかについて、第2章はアヘン戦争やペリー来航などについて図などを交えて解説。第3章「琉球王国から沖縄県へ」、第4章「沖縄県政と日本への同化政策」、第5章「15年戦争と沖縄」と続き、第6章は戦後の沖縄をテーマとする。

 生徒の関心を引き出すよう写真やイラスト、クイズを取り入れた。本文に関連したこぼれ話「シーブン話」も盛り込んだ。

 同研究会は昨年5月、県内の公立高校2年生対象の沖縄の歴史に関する知識調査結果を公表。沖縄の歴史や文化を学ぶことについて、子どもたちの意欲は高い一方、機会がほとんどなく、教員側も教材研究の時間が十分に取れないという課題を指摘していた。

 教員の負担を軽減し、関心のある生徒が独自で学習を進められるよう、学習プリントとして活用できる「学習ノート」を作成。同書内のQRコードを読み取ると、ワードとPDFファイルでダウンロードできる。

 定価1650円、生徒用価格は千円(いずれも税込み)。県内の大手書店で取り扱っている。新城さんは「歴史を掘り下げて考える力を養う機会にしてほしい」と語った。

 問い合わせは発売元の編集工房東洋企画、電話098(995)4444。
 (吉田早希)

歴史総合と沖縄~探究心を育てるためのもう一つの眼差し~
QRコードから授業用の学習ノートをダウンロードし活用できる