「タイミング悪い」那覇のミサイル避難訓練で担当者 市民ら「国の世論づくりに利用」と中止求め抗議 沖縄


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那覇市でのミサイル飛来を想定した住民避難訓練実施に抗議する市民=17日、那覇市役所前

 21日に那覇市で実施される弾道ミサイル飛来を想定した住民避難訓練に対し、市民グループ「那覇市の国民保護訓練に反対する会」が17日、市役所前で抗議行動を始めた。同日は市内外から約20人が参加し、「訓練より(近隣国と)対話をすべきだ」「沖縄からミサイル撤去を」と訴えた。18日には同会メンバーらが市防災危機管理課の職員と面談し、「今すぐにミサイルが飛んでくるような状況ではない」と訓練中止を求めた。

 同会は16日に訓練の有効性などを問う質問書を市に出していた。市防災危機管理課は18日、「ミサイル発射時の避難要領を周知する目的で実施する」と説明した。

 屋良剛課長は戦争を体験した母からも訓練について「何を考えているのか」と言われたことを明かし、「危機の可能性が絶対にないとは誰にも言えない。備えは必要だ」と同会に理解を求めた。また「国に訓練を申し込んだ4月時点では防衛費増や自衛隊増強などについて分からなかった。今すごく(訓練の)タイミングが悪い。恐怖心を与えてしまったのは反省点もある」と述べた。

 同会の北上田毅さんは「訓練をすることで防衛費増や自衛隊増強は必要だという国の世論づくりに利用される」と懸念した。

 同会は20日まで連日、市役所前で抗議する。21日は訓練会場のなは市民協働プラザ前で抗議をする。
 (伊佐尚記)