「常に世界の3番以内を」重量挙げ・宮本昌典 パリ五輪見据え、国頭で強化合宿


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合宿で足腰強化に打ち込む宮本昌典。パリ五輪に出場しメダル獲得を見据える=16日、国頭村のくいな・エコ・スポレク公園内

 2024年パリ五輪を目指す重量挙げの男子ナショナルチームが国頭村のくいな・エコ・スポレク公園内施設で合宿に取り組んでいる。参加している男子73キロ級の宮本昌典(沖縄工高―東京国際大出、同大職)は昨年12月にコロンビアで行われた世界選手権で5位入賞を果たし、代表レースで好発進を切った。現段階で最もパリ五輪出場に近い存在だ。

 昨年の東京五輪で夢の舞台に初めて立ったが、7位の成績で目標のメダルに届かなかった。思い返すと残ったのは悔しさだけ。苦い経験を糧に「次は結果を出すということしか考えていない」と出場枠の確保、そしてメダル獲得へ固い決意を示した。

 東京五輪は銅メダル以上を競える力はあった。ただ一カ月前に体調を崩し、試技に響いた。「体調管理が十分ではなかった。それがなければ」と反省を口にする。パリ五輪に向けて重要な改善点はもう一つ。足腰の強化だ。ジャークの立ち上がりで「いつも立てていない」と言い、負荷を掛けたスクワットで強化を図っている。

 現在の自己ベストはスナッチ156キロ、ジャーク191キロ。「力自体は世界の3番に入ると思っている。あとはそれを出すか出さないか。それは自分次第。課題は山ほどある」と自らの伸びしろを信じ、目標の160キロ、200キロを見据える。

 パリ五輪の実施階級は10階級(男女各5階級)で、出場枠は計120人となった。男子は東京五輪より2階級減り、最大出場枠は3人という狭き門。この3人に入るには、対象の国際試合に出場した上で世界ランキング10位以上に位置することが条件となる。今年は5月のアジア大会から代表レースが始まる。

 宮本は「常に世界の3番以内で試合ができれば。それが五輪につながる。追われる立場だと思うが、今の結果に満足していない。もっと上を見ている」。日本のエースが自覚を胸に世界のトップを目指す。
 (謝花史哲)