全国最多の原告数 睡眠妨害や子への悪影響訴え「憲法の平和的生存権が侵害」 第4次嘉手納爆音訴訟で初弁論 国は争う姿勢 那覇地裁沖縄支部 


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
那覇地裁沖縄支部で開かれた第4次嘉手納爆音訴訟の第1回口頭弁論=19日午前、沖縄市知花(代表撮影)

 米軍嘉手納基地周辺8市町村の住民3万5566人が、米軍機の騒音で睡眠妨害や身体的被害などを受けているとして、夜間・早朝の飛行差し止め、損害賠償などを国に求める「第4次嘉手納爆音訴訟」の第1回口頭弁論が19日、那覇地裁沖縄支部(足立堅太裁判長)で開かれた。原告数は全国の基地騒音訴訟で最多。原告3人が意見陳述し、静かな生活環境を求めた。国側は争う姿勢を示した。

 国側は答弁書で、飛行差し止めと過去の損害賠償については請求棄却を、将来生じる被害の賠償については不適法だとして却下を求めた。

 原告は基地周辺で国が定めた騒音コンター(分布図)で、うるささ指数(W値)75以上の区域内の住民。

 訴状によると、住民らは嘉手納基地を離着陸する米軍機の騒音や基地運用により、睡眠妨害や健康被害、子どもの成長への悪影響などを受け、憲法が保障する人格権や平和的生存権などが侵害されているとしている。

 毎日午後7時~翌午前7時までの間、航空機の離着陸とエンジン作動を一切しないよう求めているほか、損害賠償請求額は1人月額5万5千円とし、爆音差し止めの判決が確定するまでの将来分の賠償も求めた。

 1~3次判決は、過去に生じた被害の損害賠償を認めた。一方、飛行差し止めについては米軍機の運用は国が制限できる立場にないという「第三者行為論」で退けている。