サービスはいつか終了する モバイルプリンスの知っとくto得トーク[291]


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モバイルプリンス

 

昨年のサッカーW杯は、インターネット放送局ABEMAが全試合無料配信【※1】を行い、スマホを使ってのスポーツ観戦が話題となりました。

そうした中、Zホールディングスは今月16日、動画配信サービス「GYAO!」が3月末で終了することを発表しました。GYAO!で購入した動画も見られなくなります。世界的なスポーツイベントで注目を集めるサービスの一方、終了を発表するサービスもあり、競争の激しい世界であることを実感させられます。

 

※1 ABEMAが全試合無料配信 … W杯を放送するには、FIFA(国際サッカー連盟)から放送権を購入する必要がありますが、その価格は上がってきています。各テレビ局が試合を厳選して購入する一方、ABEMAは「認知度を向上」させるため約200億円を支払って購入したとも言われています。ABEMAが高額な放送権を購入できた理由の一つに、グループ会社が手がける大人気ゲーム『ウマ娘 プリティダービー』の存在が挙げられます。ウマ娘は1年で960億円ほどの利益が出たと発表されており、「ゲームの課金」が巡り巡ってサッカーの無料中継につながったということですね。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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動画サービスはどれも私たちの時間を“奪う”サービスです。私たちの自由な時間は限りがあるので、結果的にサービス同士での時間の奪い合いが始まります。

負けたサービスは退場(終了)します。これはゲーム、SNSにも言えることです。

2020年、世界中が新型コロナウイルスの感染拡大によって「ステイホーム」を余儀なくされました。自由な時間が増え、動画サービス、ゲーム、SNSを提供しているIT企業はもうかりました。

しかし世の中がコロナ前の状態に戻っていくと、私たちの自由な時間が減り、IT企業は売り上げを落としてきています。

 

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競争が激しく、スピーディーなIT業界では多くのサービスが誕生して盛り上がる一方、多くのサービスが終了します。

その際、購入したデジタルデータが消えることになったり、預けていたデータを移行する必要が出てきたりします。

何となくサービスを使うだけでなく、その会社やIT業界の動きを広く見て「ここはまだ続くのか」を見極める力も求められています。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 1987年、沖縄市出身。お笑い芸人・携帯電話ショップ勤務の経験を生かし、スマホ・ネット活用の方法を楽しく、わかりやすく伝える。2020年、本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」を出版

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