セレッソ上門「得点2桁台を目指す」 うるま市出身25歳、J1で成長実感


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J1セレッソ大阪での2季目に向けて、キャンプで汗を流す上門知樹=24日、宮崎市国際海浜エントランスプラザ((C)CEREZO OSAKA)

 セレッソ大阪の上門知樹=うるま市出身、与勝高出=はJ1での2シーズン目に向け、昨季掲げた目標と同じ「得点2桁台を目指す」とぶれずに突き進む。チームは宮崎市でキャンプを行っている。激しいポジション争いの中で成長を実感している25歳は、開幕に向けて調整に余念がない。

 昨季、チームは5位の好成績を残した。上門は34試合中18試合に出場し2得点。挑戦の年となった昨季を「J1のレベルに慣れるまで時間がかかった。手探りの1年だった。試合に出られず悔しい思いもたくさんした」と振り返る。リーグ戦前半は出場機会に恵まれなかったが、後半戦には出場機会が増えた。

 最も手応えを感じたのは守備。チームは前線からプレスをかけ続けるアグレッシブさを求めており「うまく適応できた」と感触をつかんだ様子だ。

 「行く、行かないをはっきりさせて、はがされたとしても後ろに別の選手がいて2、3度追いをする。どのチームも技術の高い選手がそろっていて、なかなかミスしてくれないが、そのミスを誘い出すことが鍵になる。そういう場面をいくつかつくり出すことができた」と好感触をつかんだ。

 ただ、得点にもこだわっており「結果を残せていないので納得していない。課題が残ったシーズンになった」と足元を見詰める。「セレッソはどのポジションも選手層が厚い。出場できない時期は心が折れそうになった」と挫折感も味わった。

 地道に練習を積み重ねてこられたのは、小菊昭雄監督への信頼感も大きかった。

 「どの選手も必死だし、みんな我武者羅(がむしゃら)。腐らずにやっていることを監督が練習の時から平等に見てくれていた。素直にうれしかった。苦しい時も腐らずにやっていける自信みたいなものもできた」と精神面でもタフさを身に付けた。

 特に印象に残っている試合は7月にホームで迎え撃った横浜F・マリノス戦。昨季J1王者となった相手に、FWとして先発出場し、約60分間プレーした。「ゴールできたらベストだったが、上のチーム相手にいいパフォーマンスを見せることができた。やってきたことは間違いじゃないと感じた。チームの一員としてやっていける自信がついた」と成長を実感する一戦となった。

 今季からJ1のFC東京に加入した徳元悠平らの名を挙げ、「Jでプレーする県出身選手は少ない。僕たちが活躍して、子どもたちに大きな夢を与えられるような選手になりたい」とJ1の舞台で先駆者となることを誓った。
 (大城三太)