石垣へのミサイル発射装置輸送、来月末で調整 防衛省、民間船に打診 陸自駐屯地開設向け


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陸上自衛隊配備に向けて急ピッチで工事が進む石垣島の陸自駐屯地建設現場=25日、石垣市平得大俣

 【東京】防衛省が本年度中に予定している石垣市での陸上自衛隊駐屯地開設に向け、2月末にも12式地対艦誘導弾(ミサイル)の発射装置を民間の船舶で輸送する方向で調整していることが複数の関係者への取材で分かった。

 関係者によると、既に輸送について民間業者に打診している。3月までに駐屯地を開設することを決めており、準備を加速させる構えだ。

 12式地対艦ミサイル発射装置は大型車両にミサイル6発が搭載されている。鹿児島県・奄美大島、宮古島市の駐屯地にはすでに配備されている。射程は約百数十キロとされる。今回持ち込むのは、射程を千キロ程度に延ばす「能力向上型」ではない。

 関係者によると、ミサイルの弾薬は発射装置とは別に自衛隊の船舶で運ぶことを検討している。

 防衛省は2019年3月に石垣駐屯地の工事を始めた。地対艦ミサイル部隊など約570人を配置する予定。弾薬庫4棟は地上に造って土で覆う。一部施設は地下に造成され、関係者によると有事には作戦室としての使用も想定される。 (明真南斗、斎藤学)