血中PFAS、東京・国分寺市住民から高濃度 沖縄と近い結果に 全国平均の4.2倍


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会」の根木山幸夫共同代表(左)と、調査結果を説明する京都大の小泉昭夫名誉教授、原田浩二准教授=30日、東京都内

 【東京】東京都の多摩地域住民を対象に血中PFAS濃度を測定する市民団体「多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会」は30日、都内で記者会見し、現時点で分析を終えている87人の一部は血中のPFAS濃度が高いと発表した。特に国分寺市在住者の65人のPFOS血中濃度は、環境省が実施した全国調査の平均比で約4.2倍に上った。

 分析した京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)は「血中濃度が非常に高く、沖縄県で実施した調査結果と近い。原因としては水道水が考えられる」と指摘した。多摩地域には米軍横田基地があり、基地由来の可能性もある。一方、産業汚染の可能性も否定できず、詳しい調査が必要だという。

 最終的に3月中旬までに約600人を調査する予定だが、現時点で分析を終えた87人分を中間報告として発表した。うち65人が国分寺市在住だったため、原田氏が同市の状況を中心に検討した。

 環境省が2021年に119人を対象に実施した全国調査と比べると、国分寺市住民の平均血中濃度はPFOSが約4.2倍のほか、PFOAで約3倍、PFHxSで17.5倍、PFNAで2.5倍。

 日本政府は血中濃度の指針を定めていないため、ドイツ国内で健康への影響が懸念されるとされる値(PFOS血中濃度1ミリリットル当たり20ナノグラムなど)も参照した。超過した住民は、調査対象の87人中21人に上った。
 (明真南斗)