那覇やうるまも…過半の市町村で「自然減」 沖縄でも刻々と進行する少子高齢化 22年人口


社会
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県内で最も少子高齢化が進む渡名喜村。集落には空き家が点在する=2021年12月

 全国の都道府県で唯一の自然増が続いていた沖縄でも人口減社会到来の兆しが表れた。自然減を記録したのは、国頭郡や離島など以前から人口減傾向にある自治体のほか、那覇、うるま、宮古島、南城の4市も含まれる。中心市街地から郊外に人口が流出する「ドーナツ化現象」が指摘される那覇市は876人の自然減となり、周辺自治体は自然増となった。

 全国の過疎自治体よりは遅いペースとはいえ、沖縄でも北部と小規模な離島自治体を中心に刻々と少子高齢化が進んでおり、行政サービスの維持が今後の課題となる。

 2022年9月末までの1年間で、県内41市町村のうち、自然増だったのは15市町村で増減なしは2村、自然減は24市町村。自然減の減少率が最も大きかったのは渡名喜村(人口324人)で、前年比2.02%減の7人減だった。同村では社会減の下げ幅も同4.34%(15人)減で最も大きかった。

 日本は沖縄も含めて全都道府県で自然減に転じており、少子高齢化を通した人口減は今後も続く見通し。政府は昨年12月、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を打ち出し、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を構築する方針を示した。

 県企画調整課は政府の総合戦略を受け、県の人口計画に位置づけられる「沖縄21世紀ビジョンゆがふしまづくり計画」を23年度に改定する方針だ。改定に合わせ、県のこれからの人口戦略も有識者を交えて議論する。

 同課担当者は「県として引き続き人口増を目指すのか、それとも人口減を見据えて行政サービスの維持を目指す方向性にするのか議論したい」と話した。
 (梅田正覚)