在宅医療「くらし」に向き合う視点を 医師や看護師らがフォーラム 沖縄


社会
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沖縄県医師会館=2021年9月

 「他職種の仲間とつくる わがまちの在宅医療」をテーマに、沖縄在宅医療推進フォーラムが4日、南風原町の県医師会館で開かれ、医師や看護師、薬剤師など約200人が参加した。小児の在宅や終末期医療に関わる医師や訪問看護師が登壇。家族を主体にした治療の必要性や病気だけでなく「くらし」に目を向ける重要性を話し合った。5日も行われる。

 小児在宅医療は病院のNICU(小児集中治療室)から自宅に移行する例が多いため、家族が24時間体制で医療ケアを続けるなど負担が大きい。

 一般社団法人Kukuruの鈴木恵代表理事は、家族が抱く疎外感や罪悪感を「多くの人に分かってほしい」と強調。医療者には「家族の言動の裏にある意味を理解して」と、家族主体の対応を求めた。

 ゆずりは訪問診療所の宮本二郎医師は、小児医療の終末期対応で「いのち」と「くらし」に向き合う視点を紹介。緩和ケアの子の成長にも向き合うことが家族のケアになると説いた。グリーンハウス訪問看護の終末期ケア専門士の兼元麻衣さんは、きょうだい児の不安にも心を配る例を挙げ「どのような問いかけで本人や家族の思いを引き出すか。質問力や観察力が大事になる」と、ターミナルケアに向き合う姿勢を語った。

(嘉陽拓也)