「被災地の力になれた」トルコ・シリア地震 沖縄の海保職員が見た現地とは


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国際緊急援助隊・救助チームとしてトルコでの救助活動について報告する第11管区海上保安本部の(左から)仲村渠飛さん、平澤大輔さん=17日、那覇市の那覇港湾合同庁舎

 トルコ・シリア地震の救助活動のため、国際緊急援助隊・救助チームの一員として第11管区海上保安本部から派遣されていた隊員2人が帰国し、17日に那覇市の11管本部で一條正浩本部長に救助の状況を報告した。2人は「崩壊の危険がある中での活動だったが、現地の人の力になれたと思う」と話した。

 いずれも機動救難士で那覇航空基地の平澤大輔さん(35)と石垣航空基地の仲村渠飛(たか)さん(35)。救助チームは7日から、深刻な被害を受けたトルコ内陸部のカフラマンマラシュで7日間にわたって活動し、6人の遺体を発見したという。

 平澤さんは「夜間は氷点下で、いつ崩落してもおかしくないような家屋での救助となり、常に神経が張り詰める状況だった」と振り返った。「生存者の発見には至らなかったが、ご遺体を発見できたことで被災地の力になれたと思う」と語った。

 仲村渠さんは「『目の前の現場から生存者を救助したい』という思いで必死だった」と振り返る。現地の人との交流もあり「私たちの姿を見た人が『ありがとう』と日本語で言ってくれたこともあった。(チームの)支えになった」と話した。

 一條本部長は「厳しい環境の中、他機関とのチームワークで活動にあたり、立派に任務を果たした」と慰労した。

 政府は6日、大地震を受けて、行方不明者の捜索や救助を実施する救助チームの派遣を決めた。7日までに海上保安庁や消防庁、警察庁などから計73人を派遣した。
 (友寄開)