男性育休の義務化、会社への影響は「全くない」 取得者が語る意識の変化とは 沖縄・浦添市


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男性の育児休暇取得について語る(左から)渡部真由美さんと原和也さん、仲宗根新さん=1月26日、浦添市役所

 【浦添】男性の育児休業取得に関する講座が1月26日、浦添市役所で開かれた。2022年度、同市男女共同参画推進講座の一環で、「キャリアをあきらめない!」をテーマに、ワークライフバランスを目的とした講座。会場には、市民や市役所に勤める男性職員らが訪れたほか、市内の事業所とオンラインでつなぎ、経営者らも参加した。

 講座では、子育てを中心とする講座「ママカレッジ」などを運営する「be.らぼらとり」の渡部真由美代表理事と、パネルディスカッションで男性の育休取得の義務化を実施しているおきなわフィナンシャルグループ(OFG、山城正保社長)総合企画部経営企画グループ上席調査役の原和也さん、実際に育休を取得した同社のグループ企業、沖縄銀行国場支店主任の仲宗根新さんが登壇した。

 OFGは、昨年7月からグループの男性職員に対して、有給で28日間の育児休業取得の義務化を開始し、沖縄銀行など合わせて34人が取得している。仲宗根さんは昨年8月に育休を取得。パートナーが妊娠の安定期に入ったころに上長に報告し、業務の引き継ぎなどを行った。仲宗根さんは「育休を取得したことで、子どもの貴重な成長期間に携わることができた。また、(育休の)取得前に比べて、仕事の効率化を図ることができた。後輩にも率先して育休取得を進めたい」と語る。

 原さんによると、男性育休の義務化によって社への影響は「全くない」と強調した。「トップの判断によって義務化の実施ができる。義務化することで男性の子育てへの意識向上はもちろん、育休の取得しやすい環境を作ることができる」と述べた。

 渡部さんは「男性の育休推奨は経営者の自覚と判断、決断が重要になる」と指摘。「国内ではいまだに『男性は家庭よりも仕事を優先』『育児期間中の女性は重要な仕事を担当するべきではない』といった性別役割分業意識が根強い状況にある。企業や個人、社会がそれぞれ意識的に変化していくことが大事だ」と語った。
 (金城実倫)