首里城の龍頭、前回は県外業者が制作…今回も?壺屋の陶工が緊急集会「自分たちの手でつくることが復興」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
集会で抗議の声を上げる参加者ら=24日、那覇市泉崎の県民広場(喜瀬守昭撮影)

 首里城正殿屋根の龍頭について、陶工らが24日、沖縄県内の事業者による復元を求める緊急集会を那覇市の県庁前県民広場で開いた。参加メンバーからは「自分たちの手で作ることが首里城復元で大切なことだ」などの声が上がった。

 集会を開いたのは那覇市壺屋の陶工らでつくる壺屋陶器事業協同組合(島袋常秀理事長)など。首里城正殿の屋根に載せる3頭の龍の頭、「龍頭棟飾(りゅうとうむなかざり)」は前回の復元時には県外の事業者が制作し、今回も同じ事業者が候補に挙がっている。組合は、沖縄の文化の象徴である首里城の復元は県内事業者で手がけるべきとし、龍頭棟飾の制作に手を挙げている。

 島袋理事長は、壺屋焼と琉球王府との歴史的なつながりなどを強調し「今の流れは納得いくものではない。私たちは作る技術や制作者、場所もそろっている」と話した。技術の継承や、棟飾の修繕に迅速に対応するためにも県内事業者を使う必要性を訴えた。玉城望専務理事は「首里城の屋根に沖縄の工房が作った焼物が載ることが大切ではないか。それが次世代につながる」と話した。

 県首里城復興課によると前回の事業者に、壺屋焼の若手が数人加わる体制を取る案を作っている。担当者は「焼物の技術だけでなく屋根に設置する建築技術も必要になってくる。壺屋焼の事業者と協力する形を考えている」と話した。

 島袋善明土木建築部長は24日の県議会代表質問で「県内技術者の活用に向けて検討している」と述べ、陶器組合などと連携していく考えを示した。「首里城復興基金事業監修会議」に案を諮り事業者やスケジュールなどを決定する。

(中村優希)