自分の足で歩いた花道 白血病の治療耐え卒業証書 北中城高校 沖縄


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白血病と闘いながら、自分の手で卒業証書を受け取った男子卒業生=1日、北中城村の同校

 大病と闘いながらも自分の足で壇上へ上り、しっかりと卒業証書を受け取った。北中城高校の卒業式では、昨年5月に急性骨髄性白血病と分かり、今年2月まで約9カ月入院していた男子生徒(18)が「卒業式は絶対に出る」という決意で出席した。

 参列した両親によると、生徒は昨年3月から発熱が続き、40度になることもあった。各病院の発熱外来に何度も行くが、新型コロナウイルス検査以外の検査はしてくれなかったという。やっと白血病の恐れと分かり、琉球大学病院に入院したのは5月だった。

 その間、学校は早退したり休んだり。小学生からサッカーに打ち込み、最後の県高校総体に懸けていたが、出場はかなわなかった。生徒は診断に「最初で受け入れた」と語るも、家族のショックは大きかった。

 抗がん剤治療などつらい日々で落ち込むこともあったが、「弱音は吐かなかった」(両親)。院内学級からリモートで学び、クラスの様子も垣間見て闘病した。医者から「数年の入院が続く」と言われたが、12月の移植手術を経て年明けに退院した。階段を上るのも難しかったが、自宅でリハビリに励み回復傾向にある。

 無事卒業できて「安心している」とほっとした表情を見せた。見守った父親は「感無量です」と語り、母親は「うれしかった」と喜んだ。卒業式後は同級生と共に花道を通り、多くの祝福を受けた。
 (金良孝矢)