沖縄空手の技をベトナムに ワールド王修会と現地の教育機関が協定 「人の成長につなげたい」知念会長


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協定に合意した知念賢祐会長(中央)とダン・タム・トゥアンCEO(左から2人目)ら=2月27日、ベトナム・ハノイ市(ワールド王修会提供)

 【豊見城】沖縄小林流空手道・古武道連盟ワールド王修会(知念賢祐会長)は2月27日、ベトナムで武道教育などを実践する「ベトナム国際武術アカデミー」と、現地で沖縄伝統空手の指導員育成を目的とした連携協定に合意した。同日、知念会長がベトナムのハノイ市を訪ね、同アカデミーのダン・タム・トゥアンCEOらと会談し、合意が実現した。

 同アカデミーは2015年に設立し、ベトナム国内に32の支部を構え、卒業生は2022年現在3万6750人。卒業後は政府要人の警護や行政機関の職員、教育機関などに就職している。ワールド王修会によると、沖縄伝統空手がベトナムの教育機関で本格導入されるのは初という。トゥアンCEOは「沖縄伝統空手の技術と哲学をぜひベトナムの武道教育に取り入れたい」とコメントしている。

 ワールド王修会は現在、国内、ヨーロッパなど30カ国以上約6千人の門下生が在籍している。知念会長は帰国後、本紙の取材に対して「ベトナムと沖縄双方の交流を深めながら沖縄伝統空手の技と哲学を伝え、人の成長につなげたい」と語った。

 ワールド王修会によると、年内にはベトナムから空手指導員の候補生が来沖し、空手の技術習得に向けた育成指導を行うほか、ワールド王修会の指導者らもベトナムに派遣して、現地での指導にあたる予定だ。
 (金城実倫)