FC琉球、開幕2連勝 野田、チーム鼓舞の決勝弾 岩手に逆転2-1


社会
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琉球―岩手 後半36分、ゴールを決める琉球の野田隆之介=11日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(喜瀬守昭撮影)

 内容でも結果でも、ほぼ文句なしの濃いゲームとなった。逆転勝利で開幕からホーム2連勝。0―1とされた後半でもあせりは見られず、好調ぶりを見せていた武沢一翔が同点弾。その後も主導権を握った。

 ここ一番で観客をしびれさせたのは主将の野田隆之介だった。後半途中から出場し、サポーターの期待に応える決勝弾をたたきこんだ。「後半は相手のゴールを脅かす回数が増えた。みんなが見ていて楽しいと思う試合ができた。先発メンバーを含め、全員で勝ち取ったゴール」とチームを鼓舞する一発だった。

 ピンチの場面では大人よりも子どもたちの声援がひときわ響くなか、DF陣の堅守が光った。DFもこなせる鍵山慶司の中盤起用がぴたっとはまり、牟田雄祐、森侑里へのカバリングで本領を発揮した。バックパスを敵に奪われるミスもあったが、森田凜が奪い返し、危機的場面ではGK田口潤人が前に出る積極的なセービングで無失点で切り抜けた。

 岩手の松原良香監督は沖縄かりゆしFCの元選手。沖縄での戦いは感慨深いそうで「岩手の選手たちはよくやった。学びを得た試合になった」と唇をかみしめつつ、スタジアムを後にした。

(大城三太)


積極サッカーを体現

 倉貫一毅監督(琉球)の話 前節は内容で満足できず、今日は選手たちが琉球らしい積極的なサッカーを体現してくれた。ハーフタイムでは全体的に悪くないと伝えた。野田隆之介にはチームの士気を上げてもらいたいと伝えていた。主将として本当によくやってくれた。
 

勝利届けられず悔しい

 松原良香監督(岩手)の話 前半は構えてしまい、縦や背後への動きがなかった。60分以降を勝負どころとして考え、突き放して勝つという作戦だったが、あまりにもボールを動かされ過ぎた。3・11という日にチームとして岩手へ勝利を届けたかっただけに悔しい。


 サッカー明治安田J3の第2節第1日の11日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでいわてグルージャ盛岡と戦い、2―1で勝利し開幕2連勝をつかんだ。前半は前線からの積極的なプレスやパスをつないで主導権を握る時間帯が多かった。しかし、中盤でぽっかり空いたスペースに切り込まれ、一瞬の隙を突かれて25分に先制点を奪われた。後半は序盤、上原牧人の右クロスに武沢一翔が合わせてゴールに蹴り込み、同点に追い付いた。ボールを支配しながら試合を進め、36分には野田隆之介が決勝ゴールを決めた。次戦は19日、愛媛県の今治里山スタジアムでFC今治と対戦する。

(1)タピスタ
琉球 2勝(6)
 2―1(0―1,2―0)
岩手 1勝1敗(3)
▽得点者 【琉】 武沢(1)野田(1)【岩】 和田(1)
▽観客 1871人

 【評】元J2勢同士の対戦は引き締まった見応えのある好試合となった。前半、琉球は前線からのプレスを徹底。岩手は少ないチャンスで確実に得点した。琉球は後半、縦パスや裏への抜け出しからチャンスをつくり、逆転に成功した。チームは前節の課題に真摯(しんし)に向き合い真価を発揮した。