ハンドボールの第35回九州中学生選抜大会は18日、那覇市の沖縄県立武道館、八重瀬町の東風平運動公園体育館で開幕した。男子の東風平と浦西、女子の浦西がそれぞれ1回戦、準々決勝を勝ち上がり4強入りを果たした。女子の仲西は準々決勝で敗退した。19日は県立武道館で、男女とも準決勝と決勝が行われる。
男子・東風平 神谷、獅子奮迅15得点
東風平の神谷悠真が準々決勝の隼人(鹿児島)戦で15得点と、獅子奮迅の働きで勝利の立役者となった。互いに速攻を仕掛け合う展開のなか、13―10で前半を折り返した。
後半はパスワークや個人技を織り交ぜながら守備をかわす動きで、神谷が次々と得点。威力と精度の伴ったミドルシュートで10得点し、突き放した。
金城栄諒監督は「相手が引いて守ったので、シュートチャンスが多かった。逆に速攻はできなかったが神谷が積極的に攻めてくれた」と奮闘ぶりをたたえた。神谷は「追い上げられてあせりもあったが、楽しくプレーできた。15得点はこれまでで自己最高。明日はこの数字を上回る得点を狙いたい」と力を込めた。
サイドスローのような腕の振りでゴールを狙うブラインドシュートも効果的で、GKから見たときに味方守備とシューターが重なって反応しにくいような状況をつくり出した。一方、左から攻めた屋冨祖孝太は1回戦で6連続得点するなど暴れまくった。「パスワークで守備のマークをずらしていき、フリーの選手が最後は個人技で決める東風平らしいプレーをしたい」と頂点を見据えた。
(大城三太)
女子・浦西 攻守切り替え機敏 速攻へ
金城心絆と篠宮美空の2人が攻撃の要としてチームを引っ張った。セルベスタ熊本と対戦した2回戦。浦西は31―11と20点差をつけて圧勝した。ディフェンスで激しく当たり、速攻などの攻撃につなげるプレーの型がうまくはまった。
浦西はテンポの速い展開に持ちこんだ。パスカットでボールを奪ったり、相手がシュートを外したりすると、全員が機敏に攻守を切り替えて前に走り、積極的にカウンターを狙った。
特に金城と篠宮は俊足を生かし、相手ディフェンスが態勢を整える前に、ゴールを奪った。「きちんと守って速攻で決める練習をずっとやってきた」と金城。2回戦では篠宮とともにチーム最多の6得点を獲得した。
後半は相手が負傷退場で人数が少ない時間帯があり、点差をどんどん引き離した。金城は「負けてしまった仲西の分まで県代表として戦って、優勝したい」と決意を示した。
(砂川博範)
男子・浦西 初戦競り勝ちリズム乗る
浦西は1回戦で鶴崎(大分)に競り勝ち、準々決勝の富島(宮崎)戦では相手エースが1発退場の「失格」となり、一気にリズムをつかんで準決勝へと駒を進めた。
初戦、気を吐いてチーム最多得点を挙げたのは新垣陽都(はると)だった。追い付いたり、引き離されたりのシーソーゲームで終盤まで1点を争い、残り1分を切って25―24。同点にされれば流れを渡しかねない場面で、新垣が渾身(こんしん)のミドルシュートを決めて終止符を打った。
「最後は必ず決めたかった。勝利に導くことができた」と胸を張った。一方で「守備で抜かれるなど、裏を通される場面が多かったので改善しないといけない」とチームの課題も挙げた。
久手堅憲矢主将は「いつもは大事な場面でパスを出してしまうが、今日は積極的に自分でシュートを狙いにいけた」と納得の表情を見せた。
(大城三太)