大会出場で新たな目標 いとまんトリム車いすの金城さん、引きこもっていた背中を押したのは…


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ゴールする金城守さん(右)と、拍手を送る當銘真栄糸満市長=19日、糸満市西崎の糸満市西崎陸上競技場

 4年ぶりの開催となった19日の第3回いとまん平和トリムマラソン(主催・同実行委員会、糸満市、糸満市教育委員会、共催・琉球新報社ほか)。

 當銘真栄糸満市長(56)に車いすを押されながら、エンジョイ4キロコース障がい者男子の部を完走した金城守さん(56)=糸満市。車いす生活でふさぎ込みがちだったが、大会への出場が前向きな気持ちになるきっかけとなった。ゴール地点では応援に駆けつけた家族らが拍手を送り、満面の笑みを浮かべた。

 金城さんと當銘市長は中学・高校時代に野球部で汗を流した。大人になっても模合に参加したり、甲子園で試合を見に行ったりと交流が続いていた。3年ほど前、金城さんは病気で右足を切断し、車いす生活となった。自宅に引きこもりがちになり、外出するのは病院に行く時くらいになった。金城さんを気に掛けていた當銘市長が大会への参加を誘い、「うれしかった」とすぐに参加を決めた。

 ゴール後、金城さんは「家にずっと閉じこもっていたから肌も白いでしょ。久しぶりに太陽を浴びて最高に気持ちいい」と晴れやかな表情で語り、来年の大会では「義足を作ってマラソンを走りたい」と目標を掲げた。當銘市長は「久しぶりに笑った顔が見られて良かった」と話した。
 (中村優希)