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宜野湾中出身の宮國 名門・東邦(愛知)のエースとしてセンバツ初登板 149キロ直球に多彩な変化球


この記事を書いた人 Avatar photo 謝花 史哲
走者を出しながらも緩急織り交ぜ、力投する東邦の宮國凌空=19日、兵庫県の阪神甲子園球場(ジャン松元撮影)

 センバツ歴代最多5度の優勝を誇る名門の東邦(愛知)で主戦を務める宮國凌空(りく)=宜野湾中出が19日に初戦の鳥取城北戦で甲子園初登板を果たした。6回を投げ抜き初勝利を挙げた。

 地元を離れ単身で強豪校に飛び込んだ。1年の夏に野手から転向。エースナンバーを背負う好投手へと飛躍した。県大会に続き東海大会も制し、目標の舞台にたどり着いた。1回戦には沖縄から家族や親戚らも多く駆け付けた。「甲子園で勝つことが夢だった。ちょっとは恩返したができたかな」と喜びをかみ締めた。

 最速149キロの直球に加え、多彩な変化球が持ち味。1回戦はボールが先行し毎回走者を背負いながらも要所で底力を発揮した。六回は四球が重なり3失点したが、最後は外角高めの直球で三振を奪った。粘り強く腕を振り、同点は許さなかった。

 秋の大会は明治神宮大会まで投げたが、県大会から右肩に違和感を覚えていた。11月から2月までは「ノースローだった」と治療に専念した。ただ別メニューをこなし体重も3キロ以上は増加。「体はできあがっている。けがに不安はない」という。

 初戦こそ「真っすぐの出来は40%ほど」と本調子とはいかず。135キロ前後の直球と変化球を多めに組み立てた。次戦に向け「1日1日を大切にしたい」と状態を上げて挑みにいく。

 高い打率を誇る沖縄尚学の知花慎之助とは小中で一緒だった。互いに勝ち進めば準決勝でぶつかる。「一緒にやった仲間としていい影響をもらっている。勝ち上がって対戦したい」と楽しみにする。そしてその先に狙う6度目の優勝。「目の前の試合を一つずつ勝っていきたい」とチームを引っ張る覚悟だ。(謝花史哲)