石垣島の陸自の駐屯地で開設式典 南西地域の防衛強化を強調 ゲート前では抗議活動も


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陸上自衛隊石垣駐屯地開設行事で、浜田靖一防衛相(舞台中央)の訓示に耳を傾ける隊員ら=2日、石垣駐屯地内

 【石垣】陸上自衛隊石垣駐屯地は2日、駐屯地内で開設記念式典を開いた。浜田靖一防衛相は隊員を前に「南西地域の防衛体制強化はわが国を守り抜くという決意の表れだ」と訓示した。一方、駐屯地開設に反対する市民が正面ゲート前で抗議の声を上げ、駐屯地担当者に「式典開催に断固抗議する」などと記した抗議・要請書を手渡した。

 式には中山義隆石垣市長、前泊正人竹富町長、糸数健一与那国町長や県選出国会議員らも参加した。敷地内に12式地対艦誘導弾(ミサイル)や03式中距離地対空ミサイルの発射機などが展示された。

 式後の記者会見で、敵基地攻撃能力(反撃能力)にも活用できる長射程ミサイルが、石垣駐屯地に配備されるか問われた浜田防衛相は「具体的な配備先はまだ決まっておらず、いまお話しする段階にない」とこれまでと同様に語り、否定も肯定もしなかった。

 浜田防衛相から隊旗を手渡された井上雄一朗司令兼八重山警備隊長は式辞で「八重山地域と島民を守る抑止力の要として役割を果たす」と述べた。

 駐屯地は3月16日に開設。同18日にミサイルの弾薬を搬入した。今回の式典を終え、今後防衛施設としての運用が本格的に始まることになる。 (照屋大哲)