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野生化ヤギが世界自然遺産の「脅威」に 沖縄県、外来種指定で重点防除へ ヤエヤママドボタルも


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重点対策種になったノヤギ(県自然保護課提供)

県自然保護課は6日までに県対策外来種リストを更新し、重点的に防除に取り組む「重点対策種」にノヤギとヤエヤママドボタル(オオシママドボタル)を追加した。

家畜のヤギが野生化したノヤギは、世界自然遺産に登録されているやんばる地域や西表島などに生息。植生の破壊と土壌流出、固有種への影響が懸念されている。県は、やんばる地域では根絶を目指し、全域で捕獲を実施する。西表島では、アクセスの難しい地域にまで分布が拡大していることから、アクセスできるエリアから捕獲を実施。個体数を減少させ、低密度化を目指す。

重点対策種に追加されたヤエヤママドボタル(県自然保護課提供)

ヤエヤママドボタルは、八重山諸島に自然分布する県内で最大級のホタル。幼虫や卵が植栽木などに紛れて本島に持ち込まれたと考えられ、2003年に本島南部で確認された。徐々に中部に広がり、22年には恩納村で発見されるなど、分布域の拡大が懸念される。

幼虫は陸にいる貝類を捕食し、オキナワヤマタカマイマイなど希少な在来の貝類に深刻な影響を与えている可能性があるという。県は、中南部など希少な陸産貝類の生息地からヤエヤママドボタルを防除し、分布拡大を防ぐ狙い。

(中村万里子)