沖縄県内の多くの公立小中学校で始業式が開かれた7日、一部の学校では教員が足りず、1学級当たりの児童生徒数を国の基準(小1~4が35人、小5~中3が40人)に引き上げて編成し、新年度をスタートさせた。県がきめ細やかな指導を目的に進めてきた独自の少人数学級編成(小1、2が30人 小3~中3が35人)は、教員不足により、一部の学校で実施できない状況に陥っている。
国基準の編成になった学級担任からは「負担が大きい」と声が上がる。保護者からも「子どもを見てもらえるか心配」と不安の声が聞こえる。
県教育委員会によると、県独自の学級編成を実施できなかった学級数は「とりまとめ中」で、学級担任が何人不足しているかも現時点で不明としなっている。
南部の中学で学級担任を務める30代の女性のクラスは39人編成。県基準より4人多い。「不登校や登校しぶりの子のケアができるか、とても不安だ。どこも教員が足りない状況で、仕方ないとは思う」。
小学校高学年を担任することになった女性のクラスは39人編成。県基準より4人多い。女性は「子どもを丁寧に見られる自信はない。それでもやるしかない。子どもたちは進級を機に、気持ちを新たにしている。その気持ちを大事にしたい」と意気込む。その一方で「県も国も対策を急いでほしい」と要望した。
10日は多くの公立小中で入学式が開かれる。新入生の保護者からも、不安の声が上がる。那覇市内の小学校に子どもが入学する母親は、先日教室のそばを通りかかった際に「教室いっぱい、机が34人分並んでいた」のを見掛けた。小1の県基準は30人で、保護者は「先生は、子どもの異変に気付いても対応できないのではないか。家ではこれまで以上に子どもの様子を気にかけようと思う」と不安を訴えた。 (嘉数陽)