強風下でもクレーン作業やめず 自衛隊分屯地内の工事 業者に是正勧告 沖縄労基署


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吹き流し標識(イメージ)

 政府は7日、陸上自衛隊勝連分屯地内の建設工事に関連し、強風下でクレーン車の作業を中止しなかったことが労働安全衛生法に違反すると指摘されていたことを巡り、沖縄労働基準監督署が検査を実施し、2月6日に受注者と下請け業者に対して勧告を行ったことを明らかにした。同16日に受注者、下請け業者から是正したとの報告を受けたとした。

 沖縄防衛局も受注者に対し、風速計の設置や作業時に風速を確認するよう指導したという。

 参院会派「沖縄の風」の高良鉄美参院議員の質問主意書に答えた。

 ミサイル配備から命を守るうるま市民の会が1月24日、吹き流し標識で強風に当たる風速10メートル以上を示す中でクレーン車が利用される様子などを確認し、防衛局に法令違反ではないかと質問していた。

 一方、防衛局は2月、本紙取材に対し、クレーンの使用について「受注者において気象条件を踏まえ、適切に作業を行っているものと承知している」と答えていた。

 また、勝連分屯地内の保安林について、森林法に基づく知事の許可がないまま違法に伐採・開発されている疑いが出ていることに対し「県と協力して事実関係の調査を行っているところであり、その結果を踏まえて必要な対応を検討する」とし、確認を進める考えを示した。

(知念征尚)