店長過労自殺で1928万円の賠償命じる 那覇市内の居酒屋チェーンに 月100時間超の残業、売り上げ増要求も 那覇地裁「安全配慮義務に違反」


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 2017年7月、那覇市内の居酒屋チェーン店舗で働いていた当時30歳の男性店長が自ら命を絶ったのは、長時間労働などでうつ病を発症したためだとして、男性の両親が店舗を経営する会社に損害賠償を求めた訴訟の判決で、那覇地裁(福渡裕貴裁判長)は25日、会社に計約1928万円の支払いを命じた。

 判決理由で福渡裁判長は、亡くなる前の17年4~6月、月100時間以上など長時間にわたる恒常的な時間外労働があり、人手不足で労働の密度が高かったと推認されるとし、「心理的負荷は強いもの」と指摘。遅くとも同年6月下旬ごろにうつ病を発症し、自死に至ったと認定した。支店長会議で会社幹部から「相当強い言葉で」売り上げの増加も求められたとした。

 会社は男性の業務遂行や労働時間を把握し、心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負うも、勤怠管理などを行わなかったなどとして「安全配慮義務に違反した」と批判した。

 一方、男性の自死には家族や金銭の問題の影響などもあったとして、5割の「過失相殺」が相当とした。