式典開催「良かった」1人 「屈辱の日」71年 県議・県関係議員調査 「主権回復の日」巡り


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 1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約(対日講和条約)発効から、28日で71年となった。日本の独立と引き換えに、日本から切り離された沖縄では「屈辱の日」と言われる。2013年4月28日に、安倍晋三政権(当時)が「主権回復の日」式典を開催してから10年。琉球新報は県議会議員(48人)と県関係国会議員(10人)の計58人に式典の是非について問うアンケートを実施し、全員から回答を得た。「式典を開催してよかった」との回答は、式典に出席した自民党国会議員の宮崎政久衆院議員の一人だった。

 式典開催について「どちらでもない」と回答したのは県議24人(50%)、国会議員5人(50%)で計29人、「開催しない方がよかった」は県議24人(50%)、国会議員4人(40%)で計28人。

 アンケートからは、講和条約発効後、日本本土とは異なる苦難の道を歩んだ沖縄の歴史から来る複雑な感情が今もあることが浮き彫りとなった。

 当時の政府式典には政権与党の自民党国会議員だった島尻安伊子氏、西銘恒三郎氏、国場幸之助氏、宮崎政久氏、比嘉奈津美氏の5人が出席した一方、野党系の県関係国会議員は宜野湾市で開かれた抗議集会に参加した。

 今回のアンケートに宮崎氏を除く自民党国会議員は「どちらでもない」と回答した。西銘氏は「歴史事情に対する配慮が足りなかったものとして考えている」と否定的見解を示した。宮崎氏は「日本の主権が回復した当時の吉田首相は、沖縄を日本から切り離すことなく、潜在的な主権が日本に残るよう努めた。その後、27年間、沖縄では米国の統治が続いたことからも、日本の主権回復の経緯やそれを確認する意味でも式典開催も評価されてよい」とした。

 アンケートは18~27日にかけて配布・回収した。
 (梅田正覚)