エイサーに魅せられて アルゼンチン出身のアランさん「もっとここにいたい」 日本文化など学ぶため移住準備


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エイサーに魅了されて活動を続け、演舞を見せるアラン・ソーサさん

 コロナ禍の影響で母国に帰れず、日本で過ごしたアルゼンチン出身のアラン・ソーサさん(27)。エイサーに魅了され「もっとここにいたい」と思い、日本での生活が3年以上となった。

 アルゼンチンで日系の学校に通っていたため、日本や沖縄の文化に興味があった。2020年1月から3月末の日程で日本に観光で訪れたが、新型コロナの影響でアルゼンチンのロックダウン(都市封鎖)が始まり、日本で足止め状態となった。東京の宿泊施設で過ごし、そのまま日本語学校に入学して日本での生活を送っていた。

 日本滞在が2年4カ月を過ぎたころ、よみうりランド(東京都)でエイサーのイベントがあると知って駆け付けた。東京を拠点に活動する創作エイサー団体「昇龍祭太鼓」の情熱あふれる演舞を見て心を奪われ、その場で入団を希望した。

 アルゼンチンで和太鼓をしていたアランさんは、琉球國祭り太鼓アルゼンチン支部にも1年間、所属していた。昇龍祭太鼓に入団後は旗持ちから始まり、練習を積み重ねて半年後には、締め太鼓や大太鼓、獅子舞の全てを担当するようになった。「私はまだ日本語が完璧じゃないし恥ずかしがりやだから緊張していたけど、昇龍の人はみんな優しくて私を家族のように迎えてくれた」と振り返る。今では「演舞をしていると見ている人が喜んで元気になるように感じて、私のやりがいになっている」と話す。

 アランさんはビザの関係でアルゼンチンに一時帰国し、手続きを終えたら日本に戻る予定だ。「コロナの影響で大変なことがたくさんあったが、新しい出会いもあった。日本の文化に慣れてきたので、もっと日本に住んで文化と日本語を学びたい」。アランさんは日本や沖縄に魅了され、移住に向け準備を進めている。

(安里三奈美通信員)