北朝鮮による軍事偵察衛星発射に備えた航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の宮古、石垣、与那国3島への配備に関し、防衛省が主要な機材の移動を完了したことが1日、政府関係者への取材で分かった。当初は4月29日までに終える想定だったが、輸送作業が難航し、1日遅れの4月30日となった。
北朝鮮は過去の同様のケースであった発射期間や部品の落下海域の予告を依然していない。防衛省は、北朝鮮の動向を注視しながら、3島に運び込んだ部隊の具体的な運用方法を詰める。
政府関係者によると、浜田靖一防衛相が4月22日に破壊措置準備命令を出して以降、3島への輸送作業を進めてきた。当初計画で3島に投入する車両は計約130台、人員は計約400人。自衛隊の輸送機や艦艇、民間船を活用し、3島のそれぞれ空自宮古島分屯基地、陸上自衛隊石垣駐屯地、陸自与那国駐屯地へ順次移動した。
一部では、海上自衛隊の輸送艦や民間船が、沖縄県の港湾に入る手続きが整わず、輸送作業が予定より遅れたり変更になったりした。
北朝鮮は4月、金正恩朝鮮労働党総書記が「軍事偵察衛星1号機」の打ち上げ準備を急ぐよう指示したと発表した。北朝鮮は2012年4月と12月、16年2月にも人工衛星と称して、朝鮮半島から南側に事実上の長距離弾道ミサイルを発射、その際にも沖縄県に空自のPAC3が展開した。
(共同通信)