会話がほとんど不可能…騒音90デシベル超が17倍に F22AやF16、F35A、F15E  米軍嘉手納基地へ巡回配備半年


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米軍嘉手納基地(資料写真)

 【嘉手納】米軍嘉手納基地の滑走路に最も近い沖縄県嘉手納町屋良地区では、90デシベルを超える騒音が激増している。90デシベルは騒々しい工場内の音に相当し、会話がほとんど不可能とされる。巡回配備前と比べ、90デシベル以上の騒音は最大17倍に増えた。騒音発生回数だけでなく、高い値の騒音が激増した。質・量共に住民生活に悪影響を与えている。

 巡回配備前は90デシベルを超える騒音発生回数の割合は4~6%程だったのに対し、配備後は10~20%台の高い値で推移する。

 嘉手納町役場が4週ごとにまとめた統計によると、3月27日~4月23日の騒音発生回数は1317回で、うち90デシベルを超えた騒音は352回(26・7%)あった。騒音の激しいF35A戦闘機の配備が始まったことが影響しているとみられる。

 嘉手納町の當山宏町長は「これまでと違い、よりレベルの高い騒音が増加し、騒音の質が変化している。特にF35Aの騒音被害は格段に大きく、深刻な騒音被害を訴える声が多くなっている」と実感を話す。「抗議などについては三連協と協議する。状況次第では町独自の要請も考えたい」と話した。

(石井恵理菜)