中国公船、尖閣周辺での確認「336日」で過去最多 22年・海保まとめ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
第11管区海上保安本部が入る那覇港湾合同庁舎=那覇市港町

 海上保安庁は12日、昨年1年間の活動をまとめた「海上保安レポート2023」を公表した。中国海警局の船が尖閣諸島周辺の接続水域で確認された日数は336日で、過去最多を更新。無人航空機の運用開始や北海道・知床沖の観光船沈没事故を受けた救助態勢強化についても紹介した。

 海上保安能力の強化についての特集では中国海警局による活動が活発化していることや、船舶が大型化していることなどに触れ「法にのっとり毅然(きぜん)と対処する」とした。

 昨年10月には海保初の大型無人航空機「シーガーディアン」1機の運用が青森県の海上自衛隊八戸航空基地を拠点に始まり、24時間以上の航続性能で広範囲かつ昼夜を問わず情報収集が可能となったことを紹介した。

 昨年4月の北海道・知床沖の観光船「KAZU I(カズワン)」沈没事故を受け、自衛隊や警察、消防と情報共有の迅速化や訓練実施などを通じた連携を強化する他、北海道東部をカバーするため釧路航空基地に機動救難士を配置した。

 海上犯罪の送検数は7323件で21年比875件増となり、18年以降5年ぶりに増加した。無検査の船の航行や定員超過、密漁などが多かった。

(共同通信)