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おしゃべりでストレス解消<伊是名夏子100センチの視界から>148


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 予定を何も入れていなかった5月の大型連休。思いつきで、田舎に住む友だちに連絡し、川遊びや温泉に入ったり、家のベランダでバーベキューをしたり。公園や児童館で遊んだり、友だちの家でタコ焼きパーティーもしたりしました。楽に乗り切りたいと思って、昼ご飯にそうめんを提案したら「流しそうめんをしたい」と子どもが言い出しました。手間が増えるので嫌だと思ったのですが、コロナの感染が心配で使っていなかったそうめん流し器を、3年ぶりに出しました。

 組み立て方、使い方も忘れていたので、子どもに任せていたら準備に1時間以上かかりました。おなかがすいてきてイライラし険悪ムードになりましたが、どうにか完成。そうめんを流して食べ始めたら、一気に楽しくなりました。子どもが休日を家族と過ごしてくれるのも、あと数年かもしれません。流しそうめんが家族の思い出の一つになって良かったです。

 そんな中、沖縄の友だち数人と毎日LINEをし、「どうやって連休を乗り切ってる?」に始まり、最近の愚痴や家の散らかり具合、沖縄のハーリーや親の介護のこと、最近食べておいしかったものなどの動画や写真を送り、のんびりとした会話を楽しみました。流しそうめんについても「流す意味があるの?」と返す人もいれば、「子どもは流すのが大好きだよね」「一緒にやりたい」という人もいて、リアルで友だちと一緒に過ごしているようでした。そんな気軽な、どうでもいいような会話ができるのは、学生時代の友だちとだからです。仕事の仲間やママ友は大好きですが、こんな安心しきった関係ではありません。ダラダラと話し続けられる友だちがいることを改めてありがたいと思いました。

 毎日いろいろな大変さや、悩み、ストレスがありますが、趣味に没頭したり、友だちとたくさんおしゃべりしたりすることも、対処法として効果的だそうです。今はネットさえあれば、世界中の人といつでも無料で、何時間でも話せます。これを賢く使えたら、健康で長生きすることにつながるかもしれません。私が高齢になる頃には、もっと違うツールが出てきているかもしれませんが、人とのつながり、親友との安心感は変わらないと信じています。


 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。