キングス、再延長で今村が決めた 雪辱へあと1勝 CS決勝第1戦、千葉Jに96ー93


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 プロバスケットボールBリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)ファイナル(決勝)で、琉球ゴールデンキングス(西地区1位)が先勝して悲願のBリーグ初優勝に王手をかけた。27日に神奈川県の横浜アリーナで行われた第1戦で、キングスは千葉ジェッツ(東地区1位)と対戦した。試合はCS決勝史上初のダブルオーバータイム(再延長戦)までもつれ、96―93でキングスに軍配が上がった。前半は今村佳太や松脇圭志、岸本隆一の3点弾を含む17連続得点でスタートダッシュに成功したキングス。しかし、その後は攻撃を修正してきた千葉Jに得点を重ねられた。一進一退の展開となり、第4クオーター(Q)最終盤に3点弾を決められ77―77でオーバータイム(延長戦)に突入した。最初の延長戦でも勝敗はつかず再延長となったが、最後は今村が2本のシュートを決め、ファウルで得たフリースローをジョシュ・ダンカンやアレン・ダーラムが決めて逃げ切った。決勝は2戦先勝方式で、第2戦は28日午後1時10分、第3戦は30日午後7時5分に試合開始となる。

【B1チャンピオンシップ】
▽決勝第1戦(横浜アリーナ、11410人)
キングス(西地区1位)1勝
 96―93(27―15,14―21,15―18,21―23,延長5―5,延長14―11)
千葉J(東地区1位)1敗

 【評】キングスはリバウンドからのセカンドチャンスで点を重ね、千葉Jの得意な3点弾を封じて勝利をたぐり寄せた。オフェンスリバウンドは千葉Jより5本多い24本で、セカンドチャンスポイントは千葉Jの2倍以上の26点と差をつけた。キングスが激しい守備で、CSでは40%以上ある千葉Jの3点弾成功率を21・6%に押さえたことも大きかった。


キングス―千葉J 第4Q、ファウルを受けながらもレイアップを決めるキングスの今村佳太=27日、横浜市の横浜アリーナ(小川昌宏撮影)

 CS決勝で初めてのダブルオーバータイム(再延長戦)となった千葉Jとの第1戦。一進一退の状況が続いたが、キングスのエース今村佳太が5分間の再延長戦だけで6得点を挙げて激闘を制した。

 77―77で入ったオーバータイム(延長戦)。キングスの攻撃は今村から始まった。ファウルを受けながら3点弾を放ったが、リングに嫌われた。3本のフリースローを与えられたものの、1本しか決められなかった。その後も3点弾を放つも得点には結びつかない。延長戦残り23・1秒からの攻撃では、今村が3点弾を打てる状況だったが、逆サイドの岸本隆一へパスを選択。それを相手選手にスチールされ、あわや敗戦となるピンチを招いた。

 「自分がシュートを打たなかったことを非常に後悔した。それで負けたらやりきれないな」と思った今村は、再延長では積極的にシュートを放った。岸本からボールを受けた今村は右コーナーから3点弾を決めた。その後はフリースローや「ファンの皆さんがねじ込んでくれた」というフローターシュートを決めた。

 この日も会場に多くのファンが集まった。「きついときにファンの声を聞くだけで、上を向いて戦うことができた」と振り返る今村。昨年の決勝で敗れた後に悔し涙を流したことに触れ「今年こそは、皆さんとうれし涙を流せるようにしたい」と力を込める。リーグの頂点を見据え、第2戦もファンと一緒に戦い抜くつもりだ。

(屋嘉部長将)


取りたいものはこの先

 桶谷大HC(キングス)の話 一つ勝てたことは重要だが、誰も満足していない。自分たちが取りたいと思っているものは、この先にある。選手たちがそのことを一番分かっていると思う。キングスファンの皆さん、横浜アリーナを沖縄アリーナにしてください。
 

エキサイティング

 ジョン・パトリックHC(千葉J)の話 エキサイティングな試合だった。第1Qで大きなビハインドとなった時間帯があった。その後は何とか追いかけたが、オフェンスリバウンドと、ダーラムの1対1のところでやられたと思う。