波風強い中、技術と知識「全て動員」SUP選手権、女子3 冠の奥秋 五輪へ「会心の出来」


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 SUP(スタンドアップパドルボード)の第2回JSUPPC「サップ&パドルボード選手権大会」が5月20、21の両日、静岡県の白浜大浜などで行われ、女子は奥秋李果(SIC MAUI)がディスタンス(約15キロ)、テクニカル(約4キロ)、スプリント(200メートル)の全3種目で1位に輝いた。男子は荒木珠里(NHK高等学園2年、KANAKA沖縄)がディスタンスとスプリントで2冠。テクニカルは2位となった。田口頼(STARBOARD)はテクニカル1位、ディスタンス2位。荒木汰久治(KANAKA沖縄)はディスタンス3位だった。

女子3種目全てを制した奥秋李果(提供)
奥秋李果(提供)

 「強敵ぞろいだが、3種目で絶対に優勝する」。気合十分に出場した女子の奥秋李果(SIC MAUI)。3冠を手にし「練習の成果を出せた」と声を弾ませた。

 2019年の世界選手権はディスタンスとテクニカルの2種目で3位に輝いた。「初出場初メダルはうれしかったが、もっと上を狙いたい」と2度目の出場を懸けて臨んだ日本代表選考レースだった。

 特に力を入れたのはテクニカル。ビーチを起点にM字形に置かれたブイを往復する約4キロのレースで、この日は波風が強く「持てる技術と知識、経験、全てを動員した」

 スタートとゴールだけが決まりコースは選手自らが選ぶディスタンスと、長さ4メートル強、重さ約10キロのボードを抱えてのスタートダッシュが結果を左右するスプリントでも1位を獲得。「このレースに懸けていた。会心の出来だった」と喜んだ。

 28年ロサンゼルス五輪の種目になる可能性があるというSUP。「五輪も視野に入れて、しっかり結果を残していきたい。まずは世界チャンピオンを狙う」と力を込めた。
 (安里周悟)