名護南、大差で圧勝 やんばる駅伝 宮城監督「狙い通りのレースできた」


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 【伊平屋】第30回やんばる駅伝競走伊平屋島大会(主催・同実行委員会、伊平屋村、琉球新報社)は17日、沖縄県伊平屋村の友愛と健康の広場を発着点に、島を2周する9区間42・195キロで競われ、名護市南が2時間30分12秒で2大会ぶり11度目の優勝を果たした。名護市南は3人が区間賞を獲得した。大会には北部12市町村と鹿児島県与論町から14チームが参加した。

 名護市南は1区・一般女子の納富千夏が区間賞を獲得する力走を見せたものの2区で逆転されるなど、序盤は混戦模様だった。エース区間の3区で宮城響が区間賞を獲得して首位を奪い返すと、安定したたすきつなぎで、トップを一度も譲らず、後続に4分34秒の大差を付けて圧勝した。

 2位の国頭村のタイムは2時間34分46秒、3位は名護市北で2時間35分43秒、4位は本部町で2時間35分58秒、5位は恩納村で2時間38分53秒と続いた。前回大会から最もタイムを縮めた「躍進賞」は名護市南で、7分8秒短縮した。


最後の力を振り絞り、1位でゴールする名護南のアンカー金城美佐登=17日、伊平屋村の友愛と健康の広場前(ジャン松元撮影)

 2位に4分半以上の大差をつけて制した名護市南は、最後まで安定したレース運びを展開し、力を抜くことはなかった。4連覇がかかった前回大会(2019年)は、大会直前に故障者が出て大幅な選手変更を余儀なくされ、地力のある本部町、国頭村に敗北。4年越しの雪辱に向け、力のある選手を後半に配置する作戦が奏功した。

 宮城昇監督は「伊平屋島のコースと相性がいいと思う。狙い通りにレースができた」と語る。台風による大会延期を経て、当初出場予定だった名桜大の有力選手らが出場できず、前日まで選手の入れ替えや、戦術を考えていたという。その戦術がぴたりとはまった。

 序盤は1区で納富千夏が区間賞を獲得する快走を見せたが2区で国頭、名護北に逆転された。その流れを変えたのが、3区のエース区間を走り、昨年の那覇マラソン覇者でもある宮城響だった。1位と30秒以上の差を逆転し、区間賞を獲得する圧巻の走りを見せた。

 その後をつないだ棚原憲哉、渡久地臣直がペースを乱すことなく、他チームの猛追を振り切った。初出場で区間賞獲得の納富は「苦手の下り坂ではペースを抑え、平たんになった時に一気にスピードを上げた」と振り返る。次回大会での連覇に向けて、チーム力を高めていく構えだ。

(池田哲平)