PAC3 新港から移動 南ぬ浜町内 旅客船入港で石垣市が要望 観光イメージ悪化を懸念


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南ぬ浜町の新港地区から同町内の人工ビーチ付近に移動したPAC3の発射機。後方には石油やガスの貯蔵施設がある=18日午後4時50分ごろ、石垣市

 【石垣】防衛省は18日午後、北朝鮮の「衛星」発射に備え沖縄県石垣市南ぬ浜町の新港地区に展開していた地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を、南ぬ浜町内の人工ビーチ付近の緑地帯に移動した。当初の配備場所はクルーズ船が入港する旅客船ターミナルに近接するため、市側が観光イメージの悪化などを懸念し同省に移動を求めていた。

 中山義隆市長は18日午後、本紙などの取材に応じ「(管理者の立場として)18日から使用の許可を出した」と答えた。市によると使用期間は7月10日まで。市は22日に南ぬ浜町の旅客船ターミナルにクルーズ船が入港することを受け、PAC3展開地の使用許可は21日までとしていたが、海上の影響などで入港が19~20日に早まった。これを受け、市は防衛省側に「できれば18日で移動させてほしい」と要望。中山市長は、防衛省側が市の意向に応じたとの見解を示した。

 旅客船ターミナルが近接する当初の配備場所について、市はクルーズ船寄港時に全国瞬時警報システム(Jアラート)が発出された場合の混乱や乗客らの動線確保を想定し、観光イメージの悪化を懸念していた。

 新たな展開地について中山市長は「(PAC3)が目の前にあるわけじゃない」とした上で、観光イメージの悪化などの懸念は「ない」と述べた。 (照屋大哲)