沖縄産業支援センターを管理・運営する第三セクター「沖縄産業振興センター」で、労使間で合意した職員の「昇給・昇格表」などが給与に反映されていないとして、管理職を除く全ての正職員6人が、昇給・昇格表などが給与規定として有効であることの確認などを求めた訴訟の判決で、那覇地裁(福渡裕貴裁判長)は27日、原告側の訴えを退けた。
判決によると、給与規定は2016年、当時の専務が給与の算定方法に誤りがあるとして見直し、改正された。18年は、昇給・昇格のモデルプランと昇給・昇格表が作成された。しかし20年に就任した現在の専務は、昇給・昇格表などは目安にすぎないとして21年、原告らに不利益となる改訂案を作成した。
福渡裁判長は、18年作成の昇給・昇格表が当時の社長の決裁対象になっていなかったと指摘。表を作成した当時の専務が表などに基づいた昇給・昇格を通知したとしても、内容を尊重したにとどまるとし、「職員の労働条件の具体的内容とする旨の労使間の合意が成立したものとは認められない」と判示した。
一方で給与問題に関連し、現在の専務が21年、職員1人を叱責(しっせき)したことは「パワーハラスメントとして不法行為に該当する」と認定。慰謝料として、3万3千円の支払いをセンター側に命じた。
原告側は「(判決の)結果は非常に残念。内容を確認して今後の対応を検討する」と述べた。被告のセンター側は「(現時点で)コメントは差し控える」とした。