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同性カップルの模擬披露宴、生徒らで演出 「海や人魚」をコンセプトに企画から運営まで 浦添商のブライダル実習 


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
模擬ブライダル実習に取り組む浦添商業高校国際観光科の生徒ら=13日、浦添市伊祖の同校

 【浦添】浦添市伊祖の浦添商業高校(新里彰久校長)のホテルマネジメント室で13日、同校3年7組(国際観光科)の模擬披露宴が開催された。総合実践の「模擬ブライダル実習」の一環。30人の生徒が企画から設営、当日の運営まで全てを手掛けた。

 模擬ブライダル実習は、国際観光科の生徒が1年時から教わってきた、接遇マナーをはじめとする学びの総まとめとなる取り組み。従来、模擬ブライダル実習は12月や1月に実施していた。本年度は予習を前提に、生徒が主体的に学ぶ姿勢を育むことを目的にした「反転学習」を取り入れることで、通常より短い期間でテキスト学習を終えた。生徒は6月から約1カ月間かけて、具体的な準備を進め、実習日を迎えた。

 夏の開催に合わせ「海や人魚」をコンセプトにし、貝やサンゴを描いたカードや水色のハートが飾られたウエディングケーキなど、会場の飾り付けには青系の色が多用された。LGBTQへの理解が社会に広がる現在の状況も踏まえ、同性カップルの式を想定した。

 共にウエディングドレスに身を包んだ主役の入場に続き、乾杯のあいさつ、ビデオレター、ケーキ入刀とプログラムが進んだ。ビデオレターには、他校に赴任した先生からのメッセージも寄せられた。参列者によるフラワーシャワーで、新婦が見送られて退場し、実習が一段落すると、生徒たちは笑顔をはじけさせた。

 ブライダルリーダーを務めた生徒(17)は「会場の動線やレイアウトを考えるのが大変だった。無事終わり、成功して良かった」と話した。

 国際観光科の大村由美子先生は「相手の意見を尊重し自分の意見も尊重してもらいながら、対等な関係を築く、授業でも教えた『アサーション』が実践できていたと思う。社会では多くの人と関わり合いながら、物事を決める。実習の経験をこの先の人生にも生かしてほしい」と、生徒の成長に目を細めた。

(藤村謙吾)