2度目の連覇へ団結力、なぎなた女子団体の首里 決意の2種目出場へ陸上男子の平川 全国高校総体きょう開幕


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 「轟かせ 魂の鼓動 北の大地へ 大空へ」をスローガンに2023年度全国高校総合体育大会「翔び立て若き翼 北海道総体2023」の総合開会式が22日、北海道札幌市の北海きたえーるで行われる。今大会は北海道を主会場に行われ、山形、栃木、和歌山の各県でも開催される。沖縄県選手団は26競技28種目に414人が出場し、8月21日まで熱戦を繰り広げる。少数精鋭で挑むチームや団結力を武器に連覇を目指すチーム、県そして日本記録を超え新たな世界に挑む選手。それぞれの思いを紹介する。


 

なぎなた団体で全国総体2連覇を狙う首里のメンバー=7日、那覇市の首里高校(屋嘉部長将撮影)

 昨年の四国総体のなぎなた団体を1、2年生メンバーで優勝した首里。ことしはそのメンバーが残り、2度目となる団体連覇へ挑む。「チーム首里」の団結力を発揮する。

 昨年、優勝を経験した3年生の泉水ほのか、城間こころ、平安名はな、富川亜紀、2年生の栄野川美羽をメインに、対戦相手によって控えの大木ろまん(3年)と具志堅茉緒(2年)が入れ替わりながら戦う想定だ。

 全国総体優勝後、県内では負けなしだったが、ことし3月の全国選抜で辛酸をなめた。3回戦では試合の流れをつかめず、チームの雰囲気が落ちた。気持ちを切り替えられず、準々決勝で南陽(京都)に敗れた。主将の泉水は「あの負けでチーム力の大切さを確認できた」と振り返る。

 学年が上がり、挑んだ県総体で優勝。九州総体は苦戦した試合もあったがみんなで声を掛け合い、気持ちをそろえ勝てたことでさらに自信をつけた。今大会は泉水・平安名、栄野川・城間が演技、泉水と富川は個人試合に出場する。しかし皆、「団体が一番」と声をそろえる。それぞれが演技、個人で良い結果を残し、団体へいい流れをつないでいく。

 チームのキーワードは「みんながエース」だ。2年生の栄野川は「3年生の集大成の大会に全力で向かっていき、来年にもつなげたい」と力を込める。最後の全国総体となる泉水は「チームはすごくいい状態でまだまだ上がっていける。最高の夏にしたい」。仲間とともに全国のどのチームよりも長い夏にするつもりだ。

(屋嘉部長将)


 

200メートルと400メートルの2種目の出場に挑む平川慧(コザ)=11日、金武町陸上競技場(屋嘉部長将撮影)

 1種目に専念すべきか、それとも―。出場する種目で心が揺れた陸上の平川慧(コザ3年)は、200メートルと400メートルの2種目の出場を決めた。「最後の全国総体というのがある。後悔しないように2種目出ることにした」と静かに語り、闘志をみなぎらせる。

 2年生の全国総体は悔しさしか残らなかった。1年生の時に400メートルで3位に入るなど好成績を残し、2年生では優勝の期待もあった。しかし、県総体前にコロナに感染し練習が積めなかった。複数の大会をこなしながら、練習で追い込んでしまい「気づかないうちに疲労がたまっていた」。全国総体では体が重く、スピードに乗れずに予選敗退した。今大会はランキングも1位と優勝を狙える位置にいる。「1日で予選、準決勝、決勝と走る。タイムよりも気持ち、体力勝負になる。一本一本確実に走りたい」と油断はない。

 400メートルより重視していたのが200メートルだ。自己ベスト21秒06と県記録21秒02の更新を狙っている。1日に3本走る負担を考え、200メートルに絞ることも考えたが、最後は両方に出ることにした。先に行う400メートルから2日間でどれだけ回復できるかが鍵になる。「タイムを狙う。いけるんじゃないかという気持ちもある」と前を向く。

 「中途半端な走りで後悔したくない」と、最後まで出場する種目で迷ったが、2種目出場を決めた顔は晴れやかだ。400メートルは優勝、200メートルは20秒台を目指す。「今だけでなく、その先の、自分の成長につながる走りがしたい」と飛躍の一歩にすべく、すべてをかける。

(屋嘉部長将)