「あふれる人柄伝える」 浦添工チーム、上富良野や東神楽町で早朝から撮影 写真甲子園始まる


この記事を書いた人 琉球新報社
偶然見つけた食堂で、「数年前、あなたの高校の生徒が撮影に来たよ」と笑顔で懐かしんだ女性従業員(左)。思いがけない出会いに驚きながらもシャッターを切る安里すずらさん=26日、北海道の上富良野町

 【北海道で嘉数陽】北海道を舞台に全国の高校生が写真の腕を競う第30回写真甲子園2023本戦は26日、1日目の撮影会が行われ、各校の生徒らは商店街がある上富良野町や公園や住宅街がある東神楽町を歩いて被写体を探した。撮影地の最高気温は32度。沖縄から出場している浦添工業の3人は、汗を拭いながら地域の人々の暮らしを撮影して回った。

 本戦は28日までの大会期間中に2回、各テーマに沿った8枚1組の組み写真を作る。撮影1回目のテーマは「あふれる」が提示された。

 安里すずらさん(17)、上江洲心音さん(17)、金城花音さん(16)の3人は25日夜、顧問の新垣隆吾教諭を交えて2時間半話し合い「町の人たちのあふれる人柄を伝える」ことを確認。被写体の形を強調して伝えるため、モノクロの作品に挑戦することを決めた。26日は上江洲さんと金城さんが、日の出直前の早朝4時から撮影を開始。うっすら明るくなり出した静かな農地で、支度中の農家の日常を撮影した。

 安里さんは午前9時過ぎ、上富良野町の商店街で偶然見つけた食堂に入り、女性従業員に自己紹介すると「数年前の大会で、あなたの高校の生徒がこの店に撮影に来たのよ。とってもいい写真を撮ってくれたの」と満面の笑みで応対された。安里さんは思わぬつながりに驚きながら、女性の表情を写真に収めた。

 27日は午前に1回目の審査会が開かれ、作品の講評がある。生徒たちはその後、2回目の作品に取り掛かる。