「えい、えいっ」区民一丸「カシチ-綱」作り 東西合わせ110メートル 糸満・大里 4年ぶり


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かけ声勇ましくカシチー綱のための小綱を結い上げていく大里区の男性たち=23日、糸満市大里区公民館

 【糸満】糸満市大里で「カシチー綱」作りが23日、4年ぶりにあった。旧暦6月26日にひく綱で、大里公民館では東之平が、嘉手志川周辺では西之平がそれぞれ綱作りに取り組み、2カ所で区民計約200人が作業をした。午前9時から午後7時までの作業で、東西合わせて約110メートルの大綱を完成させた。

 地域に住む伊是名村出身者の縁で伊是名村から運び込まれた水田6600平方メートル分のわらと、高嶺小学校の児童が稲作体験を通じて得たわらを使用した。

 つり下げて三方からわらを差し込み、男性3人がかりで「えい、えい、えいっ」とかけ声とともにねじり上げ、少しずつ小綱に仕立てた。高齢の参加者は青年たちの勇ましい姿に目を細めながら、小綱を補強するための綱を作っていた。

 正午ごろまでに長さ約50メートルの小綱が数本できた。布で手をカバーしたが、それでも手の皮がむけた男性もいた。わらを差し込む手伝いをした上原蹴人さん(17)は「完成したら壮観じゃないかと思う」と爽やかな表情を見せた。山城實さん(88)は「小綱を7、8本合わせて大綱ができる。完成までまだかかるが、若い人たちも参加し、頑張っているので、立派なものができるだろう」と話した。

 上原和市区長は「綱作りの日、地域が一つになる。各家庭の協力があってはじめて綱が完成する。区民がこれだけ集まる姿が4年ぶりに見られて、感動だ」と笑顔を見せた。
 (藤村謙吾)