台風の断水で風呂入れず、銭湯が「駆け込み寺」に 読谷の観光施設、朝から行列


この記事を書いた人 琉球新報社
停電・断水が続く中、久しぶりのお風呂に入りさっぱりした様子で水を飲む子ども=4日、読谷村高志保の体験王国むら咲むら

 【読谷】台風6号の影響で停電や断水が続く沖縄。3日には県内7市町村が断水に見舞われたほか、集合住宅で停電の影響でポンプが作動せずに局地的断水が起き、風呂やトイレが使えない世帯が相次いだ。台風の再接近で復旧が遅れる中、風呂に入れない人たちが「駆け込み寺」のように銭湯を利用している。

 読谷村高志保のむら咲むらにある「癒し工房 銭湯ゆーふる」。運営する読谷ククルリゾート沖縄は、台風のため3日の開店を迷っていたが、朝から「銭湯は開いていますか」という問い合わせが相次ぎ、急きょ営業した。同社の国吉真吾社長によると、この日は悪天候にも関わらず、通常よりも多い約400人が訪れた。オープン前からかなりの人が並んでいたという。国吉社長は「読谷も停電したので、困っている人も多かったはず。役に立てて良かった」と話した。

 4日も風呂を求める人が相次いだ。読谷村内に住む當山江利子さん(60)は、1日夜から自宅が停電・断水し、2日連続でこの銭湯に。「水が出ないのはストレスがたまる。お湯に漬かってゆっくりしたい」と疲れをにじませた。

 夏休みで静岡県から読谷村の母の実家に滞在中の男の子(5)は、家が断水し、父親(34)と訪れた。「いろいろなお風呂に入って楽しかった。体がさっぱりした」と満足げに話した。
 (島袋良太、石井恵里菜)