有罪?無罪? 本番さながら白熱の議論 小5、6年生が模擬裁判 那覇地裁


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「こども見学会」で模擬裁判に臨む児童たち=7月26日、那覇市樋川の那覇地方裁判所(小川昌宏撮影)

 【那覇】那覇地裁(沖縄県那覇市樋川)は7月26日、子どもに裁判の仕組みなどについて理解を深めてもらおうと「夏休み裁判所体験!こども見学会」を開催した。県内の小学5、6年生の児童27人が参加し、実際の法廷で模擬裁判を体験した。裁判官と裁判員、検察官、弁護士、書記官、事務官など、それぞれの役を担い、緊張した面持ちで法廷に入り裁判に臨んだ。

 模擬裁判は、被告人が那覇市内のデパートの宝石売り場で、指輪を盗もうとした疑いがあるとの設定で、本番さながらに裁判を進めた。被告人は「指輪を取ったつもりはない」と訴え、弁護人役の児童も「被告人が言った通り」と無罪を主張した。一方、検察官役の児童は「反省の態度が見られない」として懲役2年を求刑した。

 裁判官役、裁判員役の児童は別室で評議し、被告人の罪の有無を話し合った。評議では、児童らが「無罪はあり得ない」「有罪にできない」などと白熱した議論を展開。佐藤由美子裁判官の助言もあって意見がまとまり、法廷では「決定的な証拠は見つからない」として無罪の判決を下した。

 裁判官役を務めた児童=大謝名小6年=は「被告人を有罪にするか無罪にするか、結論を出すのは難しかったが、みんなで一致して決めることができて良かった」と話した。見学会は那覇地裁名護支部や平良支部でも開催された。沖縄支部は台風6号の影響で中止となった。石垣支部では8月18日に開かれる。

(金城実倫)