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アマ無線で災害に備え 沖縄での大地震を想定し通信訓練 連盟県支部


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大地震が発生したことを想定した訓練で、中継局から県内各地に被害状況などの応答を呼び掛ける日本アマチュア無線連盟県支部の宮城朝雄監査指導委員長=11日、那覇市首里大名町

 アマチュア無線を活用して災害に備えようと、日本アマチュア無線連盟(JARL)県支部(波平元範支部長)は11日、県内での大地震発生を想定した通信訓練を実施した。那覇市と読谷村にある、幅広い地域に電波を飛ばせる中継局を用いて県内各地にいる支部会員や愛好家と交信し、情報伝達が円滑にできるかなどを確認した。

 JARL県支部によると、2011年の東日本大震災では、東北地域の通信インフラが大打撃を受け、一時、携帯電話などの使用が困難になった。一方でアマチュア無線を使った交信は可能だったため、それを活用して災害への救援や人命救助に大きく貢献したという。

 県支部でも、16年から「定期ロールコール」という独自の取り組みを毎週火曜夜に行っている。これまでに370回以上実施しており、中継局から県内各地の愛好家らに応答を呼び掛け、情報伝達力の向上と通信エリアを確認している。

 この日の午前9時半ごろ、本島近海で震度7強の地震が発生したと想定し、訓練は午前10時に始まった。那覇市首里大名町の中継局を拠点に正午まで2時間、本島は北は名護市から南は糸満市、離島では座間味島などと交信した。訓練を通じ中継局に集まった被害状況などを記した電文は同日に県に伝達された。

 波平支部長は「しっかりと情報を伝達することができた。定期ロールコールの成果が出ている」と訓練を評価。「アマチュア無線のメリットを、一般の人々にも伝えていきたい。離島やへき地のある自治体にもアマチュア無線を防災に役立ててほしい」と話した。
 (小波津智也)