憧れから目標へ。16日の創成館(長崎)との3回戦に5-1で快勝し、夏の甲子園で8強入りした沖縄尚学。その活躍に、スタンドの一角を埋めた未来の高校球児たちも歓喜した。「やった」「すげえ」。両チーム無得点の均衡を破った七回からスタンドでの応援も躍動し、児童らが沖尚の選手の勇姿を自らの目標として見据えた。
偶然の巡り合わせで急きょ甲子園を訪れたのは読谷エルベス少年野球クラブの球児たち。淡路島であった全日本都市対抗少年野球大会に出場して15日に帰郷のはずが、台風で延期。急きょ応援に駆け付けた。
同クラブのキャプテンで渡慶次小6年の宜保大空(ひろと)さんは準々決勝進出を決めた沖尚を見詰めて「とってもうれしい」。満面の笑みで「沖尚に進んで甲子園を目指す。甲子園で何か記録をつくりたい」と決意した。
同じくメンバーで同小6年の比嘉咲斗さん、同小5年新垣寿凱(すかい)さんも「最高」「超楽しい」と勝利を喜んだ。新垣さんは「選手として甲子園に立ちたい」とも語り、夢が身近にあることを実感した。
スタンドには、沖尚の遊撃手、宮平良磨選手が大阪時代に所属した野球チームの後輩たちも。東大阪市立孔舎衙(くさか)中2年の中村吏来さんは「選手たちの声かけ、盛り上がりはとても参考になる」と応援風景も含め、沖縄野球に感心した様子。
宮平選手を大阪から見守る父の良樹さん(41)は沖尚野球部OBでもある。「よくやった。沖尚の記録をまた一つ更新して刻めるように頑張ってほしい。ここまで来たらどこも強いチームばかり。一丸となって戦ってほしい」と期待を込めた。
(斎藤学)